朝方はかなり冷え込んだが、日中は暖かくなり、桃の節句日和となった。
といっても桃が咲くのは旧暦の3月3日以降で、新暦にすれば4月の10日くらいの時期で、今はどこを見回しても桃の花は咲いていない。
その代わり、今最も咲き誇っているのが菜の花だ。近隣では畑の畔回りや公園の一角に咲いていたりする。車でちょっと外を走っただけで目にしない場所は無いくらいだ。
高隈山を望む菜の花畑
だから新暦の3月3日は桃の節句ではなく「菜の花の節句」がふさわしいのではないかと思う。
温暖な指宿では毎年1月の半ばに「菜の花マラソン」というのがあり、その日に合わせて菜の花を通常よりも早く蒔いて咲かせている。
霜さえ降りなければ真冬でも鮮やかな黄色の花を咲かせるので、人寄せにはもってこいの花である。
菜の花はアブラナ科の花で、大根や白菜と同じ仲間なので寒さにはめっぽう強い。
我が家の菜園ではやはり同じアブラナ科の小松菜が花を咲かせ始めている。こうなるともう食べるには硬くなりすぎているので、花の鑑賞を楽しむことになる。
ところで、2週間前に大き目のハクサイを二つ買ってきたのだが、何度も食べたあと、食傷気味になって残しておいた半割のハクサイに異変が起きた。何とにょきにょきと花芽が成長し、黄色の花を咲かせたのである。
4分の一に割ってあったハクサイの中心部より根元に近い所から、花芽がすくすくと伸び、菜の花とそっくりな黄色い花が咲いた。
このハクサイが畑に植わったまま立っていたら、中心部から真上にすうっと立ち上がって咲いただろうが、割ったハクサイは寝ているから先端部からではなく、ハクサイとは直角に上へ伸びて行ったのだ。見たこともない姿である。
このハクサイの生命力には脱帽だ。