熊本大学では保管する古文書の解読にAIを使って目覚ましい効果を上げているという。
(今日のNHKニュースから)
熊本大学には「永青文庫」という膨大な古文書群があり、その中に保管されている古文書を解読するのに、AIを使うことに成功したという。
その使い方は古文書を撮影したものをAIアプリによってパソコンに学ばせ、 くずし字(草書体)の多い古文書の一字一句を楷書に変換するというものである。
楷書に変換できればあとは歴史学の出番で、当時の時代的な背景に基づいて解釈を加えていくことが可能になる。
江戸期までの歴史を学ぶには当時書かれた文書の解読が必須で、「古文書学」という分野が設けられていた。
今度応用されたこのシステムを使えばくずし字に悩まされることなく、広範な歴史研究が可能になるだろう。
今のところ永青文庫に保管されている280万枚という膨大な文書のうち5万枚(950万字)が解読されたという。まだ全体の2パーセント程度だが、楷書に置き換えられたのであるならば、今後は解読者の数も増員されて研究は一段と進むに違いない。
実は私も一時期古文書の解読に取り組んだことがあるのだが、その時に「パソコンを使って英語の文章ををなぞるだけで日本語に転換できるのなら、古文書も同じようになぞれば現代語になるのではないのか」とふと思ったことがあった。
今回のはそれとは若干仕組みが違う、というよりAIの能力が飛躍的に伸びたので、文書全体の写真を撮るだけでほぼ一瞬にして楷書化されている。
一行一行なぞるというアナログから、写真によって全体を掴み一瞬にして転換するというデジタル化が行われたのだ。
まさに古文書へのDX(デジタルインフォメーション)に違いない。