高名なフェミニズム推進派の学者たちは大いに困惑していることだろう。
アイルランドでは「女性の家庭における義務」が記載されたアイルランド憲法の当該条項を改正するかどうかに関して国民投票が行われたが、反対が約74%に達し、結局、改正は否決されたそうだ。
アイルランドはイギリス(ブリテン島)の西に海を隔てて位置する人口約500万の小国で、面積とともに日本の北海道に類似している。
1922年にイギリス植民地でありながらアイルランド自由国となり、その後1937年に宗主国イギリスを離れ、1949年に自由選挙が行われて大統領共和制国家として完全独立を果たした。
改正論議の対象となった「家庭における女性の地位条項」は多分その当時に制定されたものと思われるが、それによると「女性の家庭内での生活が国を支えており、公共の利益に欠かせない」及び「国は、家庭での義務を果たすべき母親が経済的必要性によって就労を強いられることのないように努める」だそうである。
当今のダイバーシティ(多様性)主義から見たら、何という保守性だろうと呆れられるような条項だが、自分などはとくに後者の「就労を強いられることのいないように」という点に関しては満腔の賛意を表したい。
共稼ぎで育った経験のある人なら大方理解できることで、母親がそばにいない子どもの寂しさ、物足りなさは、それが是正されないと子どもの内面に大きなしこりを残す。
いまNHKの朝のテレビ小説「東京ブギウギ」で、福来スズ子(笠置シズ子)の子のアイ子(本名えい子)が、母親にたいしてめっぽう楯突くという小学2年生の姿を演じているが、彼女の尋常ではないスズ子への反発は母親が忙し過ぎてまともに自分に向き合わってくれない子どもの自然な対応だ。
これを無視し、子どもに自分の置かれたスター歌手という「強いられた就労」による不快感不満感を与え続けるのは、アイルランド憲法だったら「違憲」となるに違いない。
結構な憲法である。母親と家庭、母親と子どもの関係性をこれほど重視した憲法があったとは寡聞にして知らなかった。
ひどい母親不足を味わった私などは諸手を挙げて賛成である。日本国憲法にも欲しいくらいだ。
フェミニズム推進の旗頭に立っている某女史などはこの報道をどう評価するのだろうか。
「バカバカしくて話にならない。こんな国があるから困るんだ」と呆れるのか、それとも無視を決め込むのか・・・。
NO MOTHER、NO LIFE!(母親がいなくちゃ、生命も人生も始まらない!)がモットーの自分には、有難き一服の清涼剤、いやカンフル剤となった記事であった。
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