明和九年(一七七二年)
「行人坂の大火」の後の
五鈴屋ゆかりのひとびとの物語
八代目店主周助の
暖簾を巡る迷いと決断を描く『暖簾』
江戸に留まり
小間物商「菊栄」店主として
新たな流行りを生みだすべく
精進を重ねる菊栄の『菊日和』
姉への
嫉妬や憎しみに囚われ続ける結が
苦悩の果てに漸く辿り着く『行合の空』
還暦を迎えた幸が
九代目店主で
夫の賢輔と共に
五鈴屋の暖簾をどう守り
その商道を
後世にどう残すのかを熟考し
決意する『幾世の鈴』
初代徳兵衛の創業から百年を越え
いざ、次の百年へ
この作品をもって
あきない世傳金と銀シリーズ
完結と言うことになるんですねぇ~
どのエピソードも
なるほど
と納得のいく結びでした
まずは
第一話「暖簾」について
縁あって
桔梗屋から五鈴屋に再就職
大きくなった
五鈴屋の
八代目店主となった周助が
創業90周年を機に
店主としての役目を
賢輔に譲るのですが
心斎橋伊吹屋文伍なる人物が現れます
文伍曰く
自分の息子である
寛太が
今は亡き
六代目店主
智蔵の忘れ形見であること
そして
二年前
手形でしくじって以降
商売がうまくいかなくなり
店を閉めなくてはならない
息子の寛太に
店を継がせるために
資金援助して欲しい
と言う訳です
これまでにも
隠し子騒動はあったけれど
今回ばかりは
信憑性もある
と言う事で
周助は
伊吹屋の内情や主筋の評判を調査しつつ
単身
秘密裏に
寛太の奉公先「三つ峰」を訪れ
寛太の人となりを見極めます
伊吹屋の評判も良く
昨年他界した女房・お駒も好人物
夫婦仲も良かった
しかも
寛太は
商人としての力量も
人となりも良いときた
五鈴屋の血筋を
重んじるべきか
商人としての智蔵の
才覚を重んじるべきか
悩む周助
ところが
当の寛太は
文伍が父であり
五鈴屋とは何の関係もない!
ときっぱり!
旦那さん
私は五鈴屋さんとは一切
関わりがおまへん
今までも、これからもそうだす
せやさかい
手助けは無用だす
親父の言うたことも
無心に及んだことも
どうぞ忘れて
許したっておくれやす … (第一話『暖簾』74頁5行目以降参照)
一遍暖簾を下ろしても
将来
自分が
四代目伊吹屋店主として
再び暖簾を上げると
文伍に宣言した
寛太の覚悟を
目の当たりにした
周助は
賢輔が九代目を
襲名するにあたり
五鈴屋の隣りで
かつて
断腸の思いで下ろした
桔梗屋の再興を
自身の手で
再び暖簾を上げると
決意したのでした
寛太さん
凄いです
周助も認めた
才覚と人の好さ
必ずや
伊吹屋の暖簾を
上げることでしょう
因みに
五鈴屋高島店は
元桔梗屋の土地の上にありまして
周助の女房お咲は
高島店の傍らで
桔梗屋始めればいい!
それなら
親旦那(五鈴屋の要石と呼ばれる元番頭・治兵衛)も
好きなだけ
両方の店
行き来できると
アドバイス … (第一話『暖簾』79頁以降一読下さい)
普通なら
大店に成長した
五鈴屋のご寮の座に留まりたい
とか
我が子を
跡継ぎにしたい
とか
言いそうなのに
この潔さときたら…
カッコいい~
第二話以降は
改めて
「行人坂の大火」の後の
五鈴屋ゆかりのひとびとの物語
八代目店主周助の
暖簾を巡る迷いと決断を描く『暖簾』
江戸に留まり
小間物商「菊栄」店主として
新たな流行りを生みだすべく
精進を重ねる菊栄の『菊日和』
姉への
嫉妬や憎しみに囚われ続ける結が
苦悩の果てに漸く辿り着く『行合の空』
還暦を迎えた幸が
九代目店主で
夫の賢輔と共に
五鈴屋の暖簾をどう守り
その商道を
後世にどう残すのかを熟考し
決意する『幾世の鈴』
初代徳兵衛の創業から百年を越え
いざ、次の百年へ
この作品をもって
あきない世傳金と銀シリーズ
完結と言うことになるんですねぇ~
どのエピソードも
なるほど
と納得のいく結びでした
まずは
第一話「暖簾」について
縁あって
桔梗屋から五鈴屋に再就職
大きくなった
五鈴屋の
八代目店主となった周助が
創業90周年を機に
店主としての役目を
賢輔に譲るのですが
心斎橋伊吹屋文伍なる人物が現れます
文伍曰く
自分の息子である
寛太が
今は亡き
六代目店主
智蔵の忘れ形見であること
そして
二年前
手形でしくじって以降
商売がうまくいかなくなり
店を閉めなくてはならない
息子の寛太に
店を継がせるために
資金援助して欲しい
と言う訳です
これまでにも
隠し子騒動はあったけれど
今回ばかりは
信憑性もある
と言う事で
周助は
伊吹屋の内情や主筋の評判を調査しつつ
単身
秘密裏に
寛太の奉公先「三つ峰」を訪れ
寛太の人となりを見極めます
伊吹屋の評判も良く
昨年他界した女房・お駒も好人物
夫婦仲も良かった
しかも
寛太は
商人としての力量も
人となりも良いときた
五鈴屋の血筋を
重んじるべきか
商人としての智蔵の
才覚を重んじるべきか
悩む周助
ところが
当の寛太は
文伍が父であり
五鈴屋とは何の関係もない!
ときっぱり!
旦那さん
私は五鈴屋さんとは一切
関わりがおまへん
今までも、これからもそうだす
せやさかい
手助けは無用だす
親父の言うたことも
無心に及んだことも
どうぞ忘れて
許したっておくれやす … (第一話『暖簾』74頁5行目以降参照)
一遍暖簾を下ろしても
将来
自分が
四代目伊吹屋店主として
再び暖簾を上げると
文伍に宣言した
寛太の覚悟を
目の当たりにした
周助は
賢輔が九代目を
襲名するにあたり
五鈴屋の隣りで
かつて
断腸の思いで下ろした
桔梗屋の再興を
自身の手で
再び暖簾を上げると
決意したのでした
寛太さん
凄いです
周助も認めた
才覚と人の好さ
必ずや
伊吹屋の暖簾を
上げることでしょう
因みに
五鈴屋高島店は
元桔梗屋の土地の上にありまして
周助の女房お咲は
高島店の傍らで
桔梗屋始めればいい!
それなら
親旦那(五鈴屋の要石と呼ばれる元番頭・治兵衛)も
好きなだけ
両方の店
行き来できると
アドバイス … (第一話『暖簾』79頁以降一読下さい)
普通なら
大店に成長した
五鈴屋のご寮の座に留まりたい
とか
我が子を
跡継ぎにしたい
とか
言いそうなのに
この潔さときたら…
カッコいい~
第二話以降は
改めて