奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

流星群

2012-12-14 | 心詩~こころうた・己
きんと凍てつく
深夜のベランダに立ち
静寂の中
ひたすら目を凝らすは
ふたご座流星群

冷えてゆく屋根の音を聞きながら
またたく星座のあいだを
一瞬通り過ぎた光の尾に
思わず声を漏らす

一本 また一本
気まぐれに現れる流星の尾を
無心で追いかける

そんな人間の
眇たる行為など知らず
またひとつ
またひとつ
星は流れ 消えてゆく


流星群と名づけられた彼らは
決して群れなど成さず
それぞれが意思を持つもののように
己が目指す方角へと
まっすぐに旅立ってゆく

群れの中に生きる人間も
それぞれが自分の意思を持ち
己が行き先を求め
己が力で光り輝くのだ


誰も
群れの奴隷ではない
ひとりひとりがそこに集まり
群れとなって世界を作る

そしてやがては群れを離れ
新しい居場所を見つけ
その群れの住人となる


たとえどれだけ傷つき
深傷を負ったとしても
己が光まで
消されてしまってはいけない

それぞれが放つ
人生の輝き
それは誰にも
侵害できないもの

それは
夜空に煌めく星々とおなじ
ひとりひとりに与えられた
命の灯(ひかり)


広大な宇宙へと
群れから旅立つ流星を見上げ
密かな願いを託す

──己が人生を
    取り戻せるようにと……








* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

昨日の深夜(日付は今日)、ふたご座流星群を見ました。
流星群を「見よう」とちゃんと観察したのは初めてだったので、ちょっと興奮。
0:30頃から約1時間空を見上げて、29個まで流星を数えることができました。
一瞬だしどこに現れるかも分からないしで、「あ!」と思っている間に消えてしまうのだけど。
でも、静かな空間で夜空を見上げているという行為が、とても心を清澄にしてくれました。
素敵な天体ショーを見ることができて、寒いのを我慢した甲斐がありました。
                                              
それにしても、今冬はやはり寒すぎる……。

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