横浜・大佛次郎記念館内にて。
この日のお茶会は、表千家 不白流に茶芸(中国茶)の2席という
異色の取り合わせ。
作法を重んじる日本の茶道と比べ、
茶芸は「細かいこと言わずに、みんなで美味しいお茶を飲もうよ!」
という、フリーダムな精神がベースにあるようだ。
流派も、確立されたものは少なく、先生(茶芸師)によってやり方が
少しずつ違うそう。
茶室の壁には横1m以上ある扇のディスプレイ。
茶室はこんな感じ。
会議室をアレンジした、茶道でいえば立礼式になっている。
「えっと、正客は……ありませんのでご自由に」
赤×黒のロングブラウスにボブのヘアスタイルという
なかなかモダンな装いの先生に、いきなりフェイントをかけられ、ドキッ
テーブルの上には色鮮やかなサテンのクロス、
そして、今回の先生のコレクションという茶器の数々。
これも
「特に有名な作家や産地というのはないんです。
ただ、土は朱泥(しゅでい)が多い」と先生。鉄分を含む赤茶の土だ。
実はうちにも中国茶器がある。
2000年前後に2回、台湾に行ったことがあり、
どちらかの旅行で求めた。
こんな風に、カボチャっぽいフォルムが割と多いような…。
さて、淹れ方はというと……。
お茶の種類によっても違うそうだが、
鉄瓶でわかしたお湯を一度ポットにとり
(ハネ防止だと思います)
まず茶碗にお湯を注いで温めてから、
次に、やはりよく沸いたお湯を、お茶の入った急須へ。
写真右の、すのこのように見えるお盆は、
下にお湯受けがついていて、
急須も茶碗もこの上に置いたまま、お湯をざーっとかけても
大丈夫なようになっている。
茶葉についている(であろう)埃をとるために
一番最初に入れたお湯はすぐ捨て、
その次にそそぐのが、一煎目。
これはうちで撮った再現フォトですが、
こんな風に、指先で持てるほど(うちのは直径4.5cm、高さ3cm)の
小さな茶碗が2つ、お客さんの前に出される。
そのうち右だけ、一煎目が注がれている。
中国茶は「まず香り、次に味」を楽しむお茶。
そのため、お茶が運ばれてきたら、
お客さんはまず各自、右から左へお茶をうつし、
空になった右の茶碗を手の平で温めるようにして顔に近づけ、
香りを楽しむ。
次に、左にうつしたお茶を飲んで、味を楽しむ…という手順。
これさえわかっていれば、作法はOK
一煎目を飲み終わると、二煎目がつがれる。
同じように、隣にお茶をうつし、香りを楽しんでからいただく。
一煎目とは少し、香りも味も違って“コク”があるように感じる。
「二煎目は濃く出るので、お菓子はその前にいただきます」と先生。
胃を保護するため、という意味合いが強いそう。
お菓子の種類にも、決まり事は特にないけれど、
ナッツ類が好まれるそうです。
この日も、砂糖の衣がついたピーナツが。一口まんじゅうやお煎餅も。
今回いただいたのは、
柚子茶
凍頂烏龍茶(台湾の凍頂谷というお茶の名産地で取れる高級茶葉)
鉄観音
の3種類。
柚子茶は、お茶に柚子を混ぜたのではなく、
大きな蒸し器のようなもので、お茶に柚子の香りをうつしたとのことで、
均一にふんわりと爽やかな柚子が香る、飲みやすいお茶でした。
凍頂は緑茶に似た甘さがあり、
鉄観音はかなり発酵が進み紅茶の渋みを感じました。
大陸と台湾とでは、地理的にも社会体制的にも
台湾の方が品質の良さを追求した栽培がしやすい、というようなことを
先生がおっしゃっていました。
「でも、大陸にしろ台湾にしろ、
良いお茶選びの鉄則は『試飲して買う』こと。
(ちゃんとしたお茶屋さんならまず、試飲させてもらえる)
土産物屋、免税店にはパッケージのきれいなお茶が並んでいるが、外見で判断しない」
特に日本人は「見た目で買っていく」おいしい客だと思われているそうで…
一杯食わされることなく、おいしいお茶を買いたいものですね。
…なんて書いていたら、
バッドタイミングでこんなニュースが
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