新幹線での移動は、ずっと座ったままだけど
ラクに越したことはない。
そこで、とても軽くシワになりにくい焦げ茶の紬(通称「スーツ着物」)に、
薄いサリーの布で創られた帯を選んだ。
今回は前も後ろも雑になってしまい反省…
編集者と名古屋駅で待ち合わせし、
腹ごしらえ、とタカシマヤでランチ。
この他に、ポークソテーとコーヒー、パンもついて、
なかなかボリュームのあるセット。
平日の昼間なのにたくさんの人でにぎわい、
若いスタッフたちも溌剌と、愛想も良い。
その中の、20歳そこそこと思われる笑顔の可愛い女性が、
空いた皿を片づけながら
「お着物、ステキですね」にっこりと、声をかけてくれた。
-ありがとう- こちらもにこっと返して、
「でも… こんな黒の、何ということもない着物なのに」と
彼女が去った後、編集者に言ったら
「そんなことないですよぉ!」と、真面目な顔で返された。
編集の彼女は20代後半だ。
「すごくキレイで、はっとするんです」
打合せのたびに、そう思うのだそうだ。
「職場…殺伐としているから、そんな中に着物姿でさっと現れると
わあっ、キレイって」
<キレイ>の意味が気になったが、確認するのも何だか…
あえて話題を引っ張ることもないか、と思い、
そうなの…? と受け止めるのみにしたけれど、
もしかしたら、ものの美醜とか、着付けの上手/下手ということではなく、
私に限らず着物を着ている人の
その姿からにじみ出る全体の雰囲気、みたいなものが、
洋服姿の中ではぱっと浮いて、引き立つという意味なのかも知れない。
私も、街なかの雑踏で一人、着物姿の人を見かければ、
ディテールはわからなくても、鈴がリンと鳴るかのような存在感に
はっとさせられることが、しばしばある。
「私、せっかくだから、着物を着たいと思って」
編集の彼女、今秋にご兄弟の結婚式があるという。
-でも、成人式以来着たことがないんです。10月なんですけど…
何か、こういう着物でないといけない、という決まりごとはあるんですか?-
織と染めがあることも知らない彼女が、
「でも日本にいるのだから、やっぱり着物を着たいんです」と言う。
微笑ましくて、嬉しくて、じんわりと胸が熱くなった。
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