金沢発 あれやこれや

-ヒントをくれる存在に感謝しつつ物語をすすめます-

侵略の足音

2008-02-06 00:17:49 | 燃えだす人
「ここに被害が及ぶとは予想もしてなかった。」
さきほどの惨状の説明を聞き、王子は大きく息をついた。

王子は世界各地で人が突然燃える事件が相次いで発生しており、
未知の奇病への不安が広まっていること。その病気が人伝いに
伝染するうわさがでて社会が混乱して営みが崩壊しかかっている
こと。この都市で事件発生が続いており、真相を探るために
地球防衛隊地上チームを出動させていたことを話した。

するとそこにカノンが姿を現わして言った。

「地球王子よ。地球防衛軍代表のそなたの周囲は、
目に見えないサイズの虫が常に警護している。
眼前の灰について虫たちの声に耳を傾けてみなさい。」

王子は虫に灰を調べてもらった。

「カノン様。虫たちは、灰に混じってカノン様が無力化した
ナノマシン以外には特に異常は無いと言っています。」
「ナノマシンは侵略者が行動情報の送信と発火装置として植えつけた
もの。それ以外には地球外の物質は残っていない。」 
「身体を石炭のように変えた物質が消えたということですか。」
「遺伝子を書き換えて細胞の質を変える遺伝子操作ウィルスが
使われたと考えるのが自然だ。王子よ、この街のどこか
人が行きかう場所に怪しい建物がないか調べてみるのだ。」

「カノン様わかりました。世界的な規模で地球外からの侵略が
明らかになった今、防衛隊だけでは対処は困難でしょう。
地球防衛軍の出動をお願いします。」
「うむ。そうしよう。」

カノンがそう言った瞬間、草原の大地が震えた。

四方からは、歓喜の声とも野獣の叫びともとれるうなりが聞こえてきた。
しばらくすると異形のものがひとりまたひとりとそれぞれの
方角から集まってきた。






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