かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ぼくらの近代建築デラックス!

2012年12月20日 | Books


本書は、出たばかり、人気、インテリ?作家二人が、大阪、京都、神戸、横浜、東京の近代建築を巡り、勝手に、放談する本。
東京駅が生まれ変わり、近代建築の美しさが再認識されているが、私は、横浜に住んでいる関係で、元から、結構興味があって、本書をGETした。
元々オール読物に連載されていたものに、あとがき対談を加えたものらしい。

大阪、神戸、京都は、京都の三条付近を除けば、あまり行ったこともないので、割愛。
やはり、興味は、横浜。
選ばれた建物は、ほとんど行っているが、大倉山記念館には行ったことがいないので、何かの機会に行ってみよう。ギリシャ風だが、純ギリシャ風ではない、不思議なデザインなのだそうだ。

この前、ウエイターズレースをやっていた日本大通りの薀蓄も載っていた。大火事で、焼けた時に、街の真ん中に大きな道をぶちぬいて、半分を日本人、半分を外国人居留chいにしたのだそうだ。日本人の家は、木造で、火事が多いので、外国人が延焼といやがったのが理由という。
これを設計したのが、ブライトンさんで、その胸像があることは知っていたが、このブライトンさんは、お雇い外国人第一号で、神戸の旧和田岬の灯台を設計した人物。その話は、神戸編で出てくる。

ドックヤードガーデンも取り上げられている。横浜は、空襲で、ほとんど焼けたが、その時、ごく中心部だけは、占領後も使えるように残された。このドックガーデンも終戦後、船の修理に仕えるように、爆撃されなかったのだという。

ホテルニューグランドももちろん出てくる。終戦後、真っ先に、厚木に降りたマッカーサーが向かった場所だが、彼は、戦前にここを訪れており、気に入っていたそうだ。この設計は、渡辺仁という人だが、その後、マッカーサーがGHQを置いた、第一生命ビルも、渡辺仁の設計という。
建物を追うことにより、設計者たちの設計の変遷を見れるのも面白い。
そういえば、シカゴ時代、フランクフロイドライトの建築ツアーに行ったっけ。彼の、ごく初期の家が、シカゴ近郊に多く残されている。

東京の近代建築にも一つだけ触れると、ライオン銀座七丁目店が取り上げられている。前は、何度も通ったことがあるのだが、これを設計したのは、菅原栄蔵という、仙台工業学校卒業の方だったという。他の、近代建築は、ほとんど東京大学卒の専門家によるものであるから、極めて異色だ。
新橋演舞場の設計を、フランクロイドライトの意匠をうまく取り入れ、成功させ、大日本麦酒の本社社屋を成功させ、その結果、このビヤホールの内装を任されたのだという。たたぎ上げというところか。
今度、行ってみよう。

ということで、近代建築巡りの面白さを教えてくれる良書だった。近代建築に関するオーソドックスな本も紹介されているので、もっと詳しく知りたい人は、そちらもどうぞって訳。
コメント
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