おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
柴崎保三著 鍼灸医学大系 黄帝内経素問 上古天真論篇 第一
第三節
(原文)
岐伯對曰。上古之人、其知道者、法於陰陽、和於術數、食飲有節、起居有常、不妄作勞、故能形與神倶而盡終其天年、度百歳乃去。
(訓読)
岐伯對えて曰く。
「上古の人、其の道を知る者は、陰陽に法(のっと)り、術數(ジュツスウ)に和し、食飲に節あり、起居に常あり、妄りに勞を作(な)さず、故に能く形と神と倶(とも)にして盡(つ)き、其の天年を終り、百歳を度(わた)りて乃ち去る」と。
(通解)
岐伯がお対えして申すには、
「上古の人は、全部が全部というわけではありますまいが、天地人三者をすべくくる宇宙大自然の法則をよく心得ている者は、よく陰陽の法則に法り、天地自然の中に行われている順序法則に順応し調和して自己の行動を律し、食うこと、飲むことにもよく節度を守り、暴飲、暴食をすることなく、日常の生活は常にかわらず、突飛な変化ある行動などは厳につつしみ、又むやみやたらに心身を過労して精力を消耗するようなことはいたしませんでした。そのために、肉体と精神とが片ちんばにつきるようなことなく、両者ともに同じようにつきて、天寿を終わり百歳をわたってこの世から姿を消したものであります」と。
(語句の解)
※ 道を知る 王冰(おうひょう)は「道を知るとは修養の道を知るを謂うなり。それ陰陽は天地の常道なり。術数は保生の大倫なり。故に修養は必ず謹んで之を先にす」と注している。この注によると、道を知るということを「修養」と考え、それが長寿の先決要件であるかのようにもとれるが、文章全体から見ると、そうではあるまい。「上古の人と雖も、全部が全部というわけではないが道を知る者は」ということを単なる修養というような意味にとるのはどうであろうか。
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