沢潟(たくしゃ)
出典は「神農本草経」。別名は水瀉、及瀉、芒芋(ぼうう)、天禿(てんとく)。オモダカ科植物サジオモダカAlisma orientalis(Sam.)Juzep.の塊茎である。福建・四川・江西に主産する。性味は甘、寒。腎・膀胱経に入る。効能は利水、滲湿、泄熱。臨床応用は小便不利、水腫脹満。脚気、下痢、痰飲眩暈、淋病、尿血、白帶下を治す。水煎服6~12g。本品はalisol 及び酢酸エステルなどのトリテルペノイド、精油、アルカロイド、樹脂、asparagin などを含有する。沢潟は利尿と抗脂肪肝の諸作用がある。アルコール抽出物は高脂質血のある家兎とラットとの血清コレステロールの含有量を著しく抑制し得る。又抗脂肪肝作用及びウサギの摘出、心臓の冠状動脈の流量を増加する作用が認められる。エキスはイヌに対して血圧降下作用、ウサギに対して軽度の血糖降下作用を示す。in vitro で黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、結核菌にたいしていずれも抑制作用がある。
滲湿=しんしつ。利湿(りしつ)に同じ
利湿=りしつ。袪湿法の1つで、小便と共に下焦にある湿邪を排出する方法。
水腫=すいしゅ。体内に水湿が停留して浮腫を生じる疾患、水、水気、水病ともいう
脹満=ちょうまん。身体の一部が腫れて膨張感があること、一般には腹部の病証をさす
脚気=かっけ。脚部の病気で浮腫を伴う湿脚気と伴わない乾脚気があり、緩風、脚弱ともいう
痰飲=たんいん。胃内に体液が溜まって(胃内停水)圧したりすると音が出る(振水音)ような状態
胃内停水=いないていすい。水分の代謝障害により胃内に停留すること、宿飲停水ともいう。
眩暈=げんうん。めまい。
沢瀉
[基原]オモダカ科(Alismataceae)サジオモダカAlisma orientale Juzepczuk(日本薬局方正品)またはその近縁植物の、通例、周皮を除いた塊茎。葉を沢潟葉(たくしゃよう)、果実を沢潟実(たくしゃじつ)という。
[出典]神農本草経 上品
[別名]水瀉(すいしゃ)、芒芋(ぼうう)、鵠瀉(こくしゃ)、及瀉(きゅうしゃ)、天禿(てんとく)、建沢(けんたく)、川沢(せんたく)
[成分]トリテルペン:Alisol A~Cおよびそのアセチル体, 11-Deoxyalisol B 23-acetate, 11-Deoxyalisol C 23-acetate, Alisolideなど、ビフラボノイド:Amenthoflavone, Robustaflavone、糖:D-Glucose, D-Fructose, Sucrose, Lactose Hexaphosphateなど、その他:β-Sitosterol,アミノ酸,Lecithine, Choline,K塩,ビタミン類,でんぷんなど。
[効能]利尿、止渇、鎮痛
[用法]小便不利、頻尿、眩暈頭重、口渇、胃内停水、腎炎、胃下垂など
[性味]甘、寒
[処方]療法調流、猪苓湯、衝任補血、八味地黄丸、胃苓湯、牛車腎気丸、半夏白朮天麻湯、竜胆瀉肝湯、六味丸、杞菊地黄丸、知柏地黄丸など
[産地]産地により外形に多少の違いがあり、中国四川省産を川沢瀉、福建省産(台湾を含む)を建沢瀉、北朝鮮、韓国産を朝鮮沢瀉、日本産を信州沢瀉という。新東洋医学辞書
クラシエ薬品 療方調流 りょうほうちょうりゅう (goo.ne.jp)
の効能効果に
『暑気あたり』が有ります
暑気あたり=夏の暑さにより病気になること
熱中症=ねっちゅうしょう。異常な高温環境にさらされて体温の調節が乱される病気。熱痙攣、熱虚脱、熱射病も熱中症である
小便をするとブルッと震える
月経で出血すると高温期から平熱になる。