印刷についてつらつら綴ってきました「印刷四方山話」ですが、今回は連休中なので一休みさせていただきまして、私事で恐縮ですがこの休み中の出来事を一つ
今年の春先、思い立って「GWはキャンプに行こう」と家族に言うと
「トイレが汚いからヤダ」
「虫がいるからヤダ」
「テントじゃ寝れない」 etc
んな事言ったってキャンプっていうのはそういうものなんだよ
「じゃ行かない」
・・・・・・・・・・(いくらETCが¥1000だっつったって混むだけじゃん、しかも運転すんのはお父さん一人だし、それにお父さんは人混みがきらいなんだ だからTDLだとか映画だとかナントカ祭りとかに行くのはヤダし、家に居ればどうせ“どっか連れてけ”っていうじゃんか、たまにはお父さんの行きたいところへ行かせてクレー)
てな訳で、一計を案じた私は4月のとある休日に「お花見に行こう」と誘い出し、山梨県のとある山村へ車で出かけたのです、
綺麗な桜
を観て、手打ちそば
を食べて、ルンルンで楽しそうな家族を乗せて・・・・・
やがて道は急な山道へ・・・
そして道は未舗装路になり、車一台がやっと通れる崖っぷちの道へ・・・・・
ガタゴトガタゴト
「おっ お父さん! どっ どこ行くの? こっち側谷だよォ~落っこちたら死んじゃうよォ」
「おいしい湧水を汲みにいくだけだよ! タブン・・・」
ガラゴロドン!!ヒャ 目の前に落石が・・・・(小さくて良かった)
「怖いよォ もう帰ろうよォ~」(泣き叫ぶ末娘)
「もう少しだから、大丈夫だよ」
「カーナビに道ないよ?なにがあんの?」(妻)
やがて森を抜けた先に広い場所を発見、
そこには小さな建物が・・・・小さな看板に「○○キャンプ場」とありました
「ここ何ィ?」(半べそ)
「キャンプ場!お前達もきっと気に入るからさ、なっ!GWはキャンプしよ?とりあえず見学しよ?なっ?今日は下見だけだからさ」
(必死に家族を説得する自分)
実は数日前にWebで検索した結果、家族の希望にかなうキャンプ場を捜しあてたのですが、本当に家族が気に入るかどうか下見にきたのです、
標高1000m前後の高地は蚊はもちろん、時期的にあまり虫が多くはないはずですし、
最近のキャンプ場はトイレが綺麗で、ウォシュレットまであるところが多いうえに
シャワーやお風呂まで(所によっては温泉だったり)完備しているところまであるのです、
私が10年以上前によく行っていた頃とは全く様変わりしてるんですねェ
キャンプ場のオーナーに聞いてみると
最近はキャンプというより“自炊の宿”感覚なのだそうですよ。
家族が嫌がるテントが無理なら“バンガロー”でも・・・と思っていたら
最近は“バンガロー”ではなく、“コテージ”というんだそうですよ、
せっかく道無き道?を来たのに、なんか私のイメージしていたワイルドな
“キャンプ”のイメージが・・・・・・・・
ログハウス風のその“コテージ”
やらいう建築物を見ながら
「ねェねェお父さん、ここ泊まりたい!すごいきれい
」と娘
「また今度ね」(完全に自分のイメージと異なることに違和感を覚えてイジケる私
)
「今度のGW一日だけ空いてますよ」(オーナー)
(ゲッ 余計なことを・・・)
「ヤッタ~ ねェねェお母さん、ここならキャンプするの楽しみだね!
」
しかたがない、せっかく家族が賛同してくれたのだから・・・
少なくても飯盒炊爨とかBBQ
くらいのキャンプらしき事はできんでしょ、
とロクに確認もせずに期待しつつ 家族にはいくつか条件付き(DS・携帯禁止)で
行くことにしたのでした。
が・・・・・・・・・・・・・・・・・
GW連休のとある一日、再びそのキャンプ場に着いて 愕然
森に囲まれたその“コテージ”たらいう建物入り口横には
前回下見に来た時には無かった巨大な箱が・・・・ なんじゃこりゃとよく見ると
“HITACHI”ecoのシールが貼られたドアが二枚の“冷蔵庫”
その瞬間、私の右肩から滑り落ちたのはたくさんの食材と
よ~く冷えるように氷や保冷剤がパンパンの30ℓ入りクーラーボックス・・・・・・・・・
フエェ~ いらなかったじゃん
さらにその冷蔵庫の上には家で見慣れたま~るい物体が・・・・・
近づいてみるとそこには“象”の印が・・・・・・
(シールにはご丁寧に“かまど炊き”だって)
その瞬間、私の右手から20年愛用の“飯盒”が・・・・・・・
大きな音とともに転げ落ちました
きっとおいしく炊けるんだろうなぁ
なんたってかまど炊き風だもんなぁ
フッ
しかもカセットガスコンロまであるし・・・
(レトルトカレーにすりゃよかった
・・・)
綺麗なシンクも・・・(水汲みしなくていいんだ・・・・)
先に入室した子供達が私を呼ぶ声が
呆然とする私は“そうは言ってもここは山の中、得たいの知れない虫でもいたのだ
ろう、ここは父親の威厳をもって退治せねば・・・と、意気込んで入っていく
と・・・・
子供達の前には整然と並んだまっさらのふかふかの“布団”が・・・・・
近づいてみるとタグにはお馴染みの「西川」の文字・・・・・
その瞬間、私の背中に担いでいた“寝袋”が・・・・・・・
とたんに重くのしかかってきました。
こりゃ今夜はよく寝れそうだなー
ヘッ
我にかえって私の脳裏に浮かんだのは、アルファベット2文字、
もしくはカタカナ3文字のあの家電製品、
毎日朝から晩までしゃべってる電動紙芝居機。電子受像機。
まさか、まさか、あれはあるまい、あるわけない、あってたまるかァ
(心の叫び)
ここはキャンプ場だぞ、山の中だぞ、
清流のせせらぎを聞きながらのんびり過ごせる場所のはず、
朝は鳥のさえずりで目が覚める心地よい場所
のはず
まさか・・・・・・・
あッ そーいや、さっき管理人室の屋根の上にパラボラアンテナらしきものがあったなァ
いやいや、仮にあったとしても見なければいいんだ、そう、
冷蔵庫も炊飯器も布団も使わなければいいんだ・・・・・・
せっかく、せっかく・・・
買いそろえたキャンプ道具が・・・・・・・・
「いいじゃん、貸別荘に来たと思えば」
家内の一言で私の中のなにかが終わりました。
ここはキャンプ場ではなくて「貸別荘」なんだ、
そうそう・・・・・・
きっとそうなんだ
こんど辞書で調べとこう、キャンプの意味・・・・・・・は「貸別荘」
日本にはきっと私の理想とする「キャンプ場」は絶滅したんですね
追伸、TVは結局なかったです。