石屋のカミさん日記

仕事に趣味に 好奇心の赴くまま楽しいこと追求します!

あじさいの碑

2008-03-07 14:14:21 | Weblog
うちの家業は 石屋さんで
主な仕事は お墓の仕事なんですが
記念碑を建てる仕事もちょくちょくやっている。

いろんな自治体や地域・学校・有志のかたで
いろんな記念に 石碑を建てられる。
それぞれに みんなの熱い想いが込められ
お墓の荘厳さとは また違った感動をいただいている。

今回、舞鶴市立城南中学校同窓会よりいただいた感動の仕事
あじさいの碑



数年前、白血病で入院していた二人の小学6年生。
同じ病気でおない年のこの子たちは
来春には 城南中学校に入学する予定であった。

親子ともども、中学校入学を夢見て
早く病気を治してふたりで一緒に城南中学校へ行こう!と
励ましあいながら 闘病生活を続けた。

秋が過ぎ、冬が過ぎ、そして桜をみることなく
ふたつの小さな命の灯は 消えてしまった。

二人を懸命に支えてきた医療センターの小児科婦長さんが
後日、城南中学校を訪れた。
二人が どんなに普通の中学生として
生きることを夢見ていたか・・を話され
持ってきたアジサイの木を差し出された。

二人の子供と婦長さんで育てていたアジサイ、
これを二人のいのちだと思って
どうか中学校のどこかに植えてほしい

挿し木されたアジサイを 生徒会で毎年
「いのちを大切にする運動」として手入れし、
梅雨の時分になると 見事な花をさかせて
人々の心を華やかにさせてくれるそうだ。

今回、その記念碑を同窓会で建てることになり
お世話させていただいた。
私の母校でもある中学校。
私にも今、小学校6年生の子供も中学校3年生の子供もいて
巣立ちの時期にきているので
希望に満ちて 病気と闘っていた親子の気持ちが
痛いほどよくわかる。
どうか、アジサイの花になって
思う存分、グランドを駆け回ってね!そんな想いでいっぱいになる。

婦長さんや校長先生、生徒のみなさん
同窓会の世話人さん・・そんなたくさんの方々の
手をわたり 優しいきもちが石に刻まれたことが
本当に嬉しいなあと思う

もし、城南中学校の前を通って アジサイを見かけたら
ふたりの小さないのちを思い出してください

以下、碑に彫刻した文章です

アジサイの碑

とどけ
   永久の思い
         紫陽花と共に


アジサイの花が咲いたら 僕らのことを思い出してください

「城南中の制服を着て学校へ行く」
そんな、なんでもないことが僕らの夢でした。
病室の窓から見えるアジサイに励まされ
僕らは精一杯病気と闘った。
・・でも、その夢はかなわなかった。

今、僕らの心はアジサイの花となってここにいます。
人の手から手へと運ばれ育てられ
こんなに大きくなりました。

お弁当を食べている君たちが見えます。
試合に負けて泣いている君も、
グラウンドで大縄をとんでいる君も、
単語をいっしょうけんめい覚えている君も。

「生きている」って、なんてすばらしいことなんだろう。

     早くして逝った少年と少女に思いを馳せ
     生徒らが、夢と希望をはぐくみ
     いのちを輝かせることを願いこれを刻む

       平成20年 3月 舞鶴市立城南中学校 同窓会


3月9日(日)は この碑の除幕式が行なわれます


コメント (5)
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