『古家正亨のALL ABOUT K-POP』(ソフトバンククリエイティブ)が出版された。
古家さんに初めてお会いしたのは、札幌のラジオ局、FMノースウエーブでのことだ。
当時、私は千歳市にある千歳科学技術大学で研究・教育を行っていたのだが、気がつけば、札幌でテレビ3本、ラジオ2本のレギュラー出演者となっていた。
ラジオはいずれもノースウエーブで、古家さんはこの局の人気パーソナリティとして、ご自身の番組を持っていた。
ソフトな声と語り口が心地よく、朝の番組にはぴったりで、私は大学へ向かうクルマの中でいつも聴いていた。
私が出演していたラジオ番組は1本が生放送で、もう1本が収録。
札幌駅近くのノースのスタジオに、ちょくちょく出かけていたから、古家さんとも局内での初対面となった。
その時も、韓国の音楽についてうかがったように思う。ほんと、よく知っているんだなあ、と感心した記憶がある。
それ以来、何かとご一緒する機会があった。
そんな私が北海道から八王子の東京工科大学に移ったのが2008年。
そして今年の4月、上智大学へ。
すると、なぜか古家さんがいるではないか。
何と大学院の博士課程に在籍する院生となっていたのだ。
びっくりである(笑)。
しかも、執筆中の博士論文は「音楽著作権に関する日韓の比較研究」といった内容であり、古家さんにとっての「K―POP」は、趣味や仕事を超えて、専門研究の対象にまでなっていたのだ。
本の中に、「これを聴かずしてK-POPは語れない! 名盤・必聴盤500」という見事な解説ページがある。
実はこの500枚というのが、「自宅に1万枚以上あるK-POPのCDの中からセレクト」したというから凄い。
K-POPだけで1万枚!
どんだけ好きなんだ(笑)。
博士課程の院生はすでに研究者であり、この本は「K-POPについての研究者が書いた一般書」という側面も持つ、貴重な一冊なのであります。
(写真:本の裏表紙は古家さん本人)