碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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「学校のカイダン」は、広瀬すずを見るためのドラマだ!

2015年03月04日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評


日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、「学校のカイダン」(日本テレビ系)を取り上げました。


「学校のカイダン」(日本テレビ系)
超新星・広瀬すずを見るためのドラマだ

「学校のカイダン」(日本テレビ系)が終盤に入り盛り上がってきた。

名門高校に編入したツバメ(広瀬すず)だが、内実は一部の生徒が支配するトンデモ校だった。

彼らの策略で生徒会長にされた彼女をサポートするのが謎の青年・雫井彗(神木隆之介)だ。ツバメに学校改革のヒントと、説得力のあるスピーチ(演説)を伝授していく。

まず、ヒロインの武器が言葉(演説)で、背後にスピーチライターがいるという設定が新機軸だ。毎回、熱い演説によって周囲の気持ちを動かしていく。

先週も生徒を抑圧する教師(生瀬勝久)に向かって、「どうせ無理、なんて言葉はいつでも学べる。だったら無理じゃない可能性を教えて欲しい!」と訴えていた。

一方、舞台が学校なのに授業や部活といった日常シーンが皆無で全体が虚っぽいとか、神木の演じるキャラが「リーガルハイ」の堺雅人に似ているとか、ツッコミ所はあるかもしれない。

しかし、これは広瀬すずを見るためのドラマだ。これまでモデル業が中心で、本格的なドラマ出演は今回が初。新人戦としては上々の出来だろう。

やや鈍くさいが、何事にも一生懸命な美少女役。笑顔も困った時の表情も生き生きとしている。

想定していた能年玲奈の代役だそうだが、「第二の能年」ではなく、今年の目玉、超新星としての広瀬すずがここにいる。

(日刊ゲンダイ 2015.03.03)