日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今回は、「学校のカイダン」(日本テレビ系)を取り上げました。
「学校のカイダン」(日本テレビ系)
超新星・広瀬すずを見るためのドラマだ
超新星・広瀬すずを見るためのドラマだ
「学校のカイダン」(日本テレビ系)が終盤に入り盛り上がってきた。
名門高校に編入したツバメ(広瀬すず)だが、内実は一部の生徒が支配するトンデモ校だった。
彼らの策略で生徒会長にされた彼女をサポートするのが謎の青年・雫井彗(神木隆之介)だ。ツバメに学校改革のヒントと、説得力のあるスピーチ(演説)を伝授していく。
まず、ヒロインの武器が言葉(演説)で、背後にスピーチライターがいるという設定が新機軸だ。毎回、熱い演説によって周囲の気持ちを動かしていく。
先週も生徒を抑圧する教師(生瀬勝久)に向かって、「どうせ無理、なんて言葉はいつでも学べる。だったら無理じゃない可能性を教えて欲しい!」と訴えていた。
一方、舞台が学校なのに授業や部活といった日常シーンが皆無で全体が虚っぽいとか、神木の演じるキャラが「リーガルハイ」の堺雅人に似ているとか、ツッコミ所はあるかもしれない。
しかし、これは広瀬すずを見るためのドラマだ。これまでモデル業が中心で、本格的なドラマ出演は今回が初。新人戦としては上々の出来だろう。
やや鈍くさいが、何事にも一生懸命な美少女役。笑顔も困った時の表情も生き生きとしている。
想定していた能年玲奈の代役だそうだが、「第二の能年」ではなく、今年の目玉、超新星としての広瀬すずがここにいる。
(日刊ゲンダイ 2015.03.03)