碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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産経新聞で、テレ朝「報道ステ」古賀発言騒動についてコメント

2015年03月30日 | メディアでのコメント・論評



元官僚・古賀氏「会長の意向で・・・」
古舘氏「今の話は承服できない」

報道ステーション「降板」めぐり応酬


テレビ朝日系ニュース番組「報道ステーション」で27日、コメンテーターを務めた元経済産業省官僚の古賀茂明氏が自身の「降板」をめぐって古舘(ふるたち)伊知郎キャスターと激しく応酬する一幕があり、波紋を広げている。テレ朝などの意向で降板になったことを主張した古賀氏に対し、同局広報部は「『降板』には当たらない」と反論し、不快感を示している。

27日の放送で、中東情勢について意見を問われた古賀氏は「テレビ朝日の早河(洋)会長や古舘プロジェクトの佐藤(孝)会長の意向で、今日が最後(の出演)」と発言。「菅(すが)義偉(よしひで)官房長官をはじめ、官邸にバッシングを受けてきたが、激励を受け、非常に楽しくやらせていただいた」と話した。

これに対し、古舘氏は「今の話は承服できない。4月以降も機会があれば出ていただきたい。『降ろされる』というのは違う」と反論。古賀氏は「古舘氏は『何もできなかった。本当に申し訳ない』と仰った」「全部録音させていただいている」などと応じた。

その後も、古賀氏は「I am not ABE」と書いた紙を掲げ、「裏で圧力をかけるのはやめてもらいたい」などと発言。古賀氏は過去に同番組に出演した際、安倍政権に批判的な発言をしていた。

テレ朝広報部は「金曜コメンテーターはテーマに沿ってその都度、各分野の方々に出演を依頼している。古賀氏もそのうちの一人で、『降板』ではない」と説明している。

上智大の碓井広義教授(メディア論)は「出演をめぐってトラブルがあったのなら、制作側は生放送で何かが起こることを予測できなかったのか。古賀氏にとっては息苦しさを感じたうえでの発言だったのだろうが、テレ朝会長らの個人名を挙げたのは行き過ぎだ」と話している。

(産経新聞 2015.03.29)

書評本: 和田 誠『ぼくが映画ファンだった頃』ほか

2015年03月30日 | 書評した本たち



映画も好きですが、映画に関する本も好きです。

中でも和田誠さんの『お楽しみはこれからだ―映画の名セリフ』(文藝春秋)シリーズ。

第1作目が登場したのは40年前ですが、ずっと愛読書です。

俳優や名場面のイラストも楽しいし、文章から映画が立ち上がってくるようで、堪りません。

和田さんの新しい映画本も楽しめます。


以下、週刊新潮に書いた書評です。

和田 誠『ぼくが映画ファンだった頃』
七つ森書館 2160円


神は細部に宿る。それは映画を語る際も同様だ。敬愛するワイルダーやヒチコックに関する文章はもちろん、タイトル、ポスター、伏線などの話も映画好きには堪らない。さらにジェイムズ・ステュアートとの対談までが収録され、贅沢な映画コラム集となっている。


松田賢弥
『絶頂の一族~プリンス・安倍晋三と六人の「ファミリー」』
講談社 1620円


本書には安倍晋三総理をめぐる6人が登場する。祖父・岸信介、父・安倍晋太郎、父の異父弟で叔父の西村正雄、晋太郎の隠し子(晋三の異母弟)といわれる男性、妻・昭恵夫人、そして母・安倍洋子だ。「昭和の妖怪」を源流とした血脈の呪縛が、今この国を動かしている。

(週刊新潮 2015.03.26号)