発売中の「週刊朝日」最新号で、ドラマ「花咲舞が黙ってない」についてコメントしています。
「お言葉を返すようですが・・・」
杏 ひとり勝ち
杏 ひとり勝ち
話題作が伸び悩む中、“ひとり勝ち”状態で2桁視聴率をキープしているのが「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ系・水曜22時)。池井戸潤氏の原作で、杏が主演。メガバンクを舞台に一般行員の花咲が、誰に対してもはっきりモノ申す爽快さが見どころだ。
「『お言葉を返すようですが……』という言葉をきっかけにたんかを切るのは、水戸黄門の印籠のようなもの。1話完結で見終わってすがすがしいというパターンは、安心です」(上智大学の碓井広義教授[メディア論])
決めぜりふといえば、大ヒットドラマ「半沢直樹」の「倍返しだ!」は記憶に新しいが、今期は主演の武井咲が「てめぇ~、五寸釘ぶちこむぞ」とたんかを切る「エイジハラスメント」(テレビ朝日系・木曜21時)も、見逃せない。10年ぶりに内館牧子氏が連ドラの脚本を執筆したということで、放送前から期待度が高かった。お茶くみや過度なハラスメントに、“時代錯誤”という声があがるものの、TVコラムニストの桧山珠美氏はこう言う。
「ドロドロの女社会を描くのが得意な内館さんの脚本だけあって、『25歳すぎたら女じゃない』などセリフがエグくて楽しめる。『五寸釘~』という決めぜりふは、スカッとしますね」
初回は9.7%と控えめな出だしになったが、3話目まで9%台をキープ。コアなファンがいるようだ。
「新人OLを軸に置いたことで、メイン視聴者の中高年をイタイ設定に描き、反感を買ってしまったため、視聴率が伸びなかったのではないか。開き直って、もっとコテコテのハラスメントで楽しませてほしいですね」(ドラマライターの田幸和歌子氏)
(週刊朝日 2015年8月7日号より抜粋)