特撮への敬意、タイムリーに
オープンハウスグループ
「マイホームマン登場」篇
山崎貴監督「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」が、第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した。
視覚効果とは撮影された映像を加工したり、合成したりする技術だ。現実にはない世界や、撮影が困難なシーンを表現するために使われる。山崎監督は脚本や演出だけでなく、視覚効果も自身で手掛けた。受賞はアジア映画初の快挙だ。
オープンハウスグループの新作CM、マイホームマン「登場」篇。戸建ての契約を済ませた堺雅人さんに、「もし、怪獣とか来たら、これで」と謎のバッジが手渡される。
突然、怪獣が出現。驚きながらバッヂのボタンを押すと、堺さんは巨人へと変身する。購入した土地を守るべく、怪獣との戦いが始まった。日本の特撮映画で見慣れた「着ぐるみ」の怪獣と、「ミニチュア」の街並み。スーツ姿の堺さんと怪獣の対比が可笑しい。
今年は円谷英二監督が特撮技術を手掛け世界を驚かせた、初代「ゴジラ」の公開70周年にあたる。令和の現在まで継承される特撮の伝統と革新性。先人たちへの敬意にあふれる、実にタイムリーなCMとなった。
(日経MJ「CM裏表」2024.03.25)