碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

連休用の文庫本はこの3冊

2012年05月03日 | 本・新聞・雑誌・活字

行きつけの“リアル書店”にて、連休用の文庫本を物色。

選んだのは・・・・

吉本隆明・糸井重里「悪人正機(あくにんしょうき)」

嵐山光三郎「文人悪妻」

佐藤 優「功利主義者の読書術」


・・・・偶然なのか、いずれも新潮文庫でした。

連休用のDVDはこの2本

2012年05月03日 | 映画・ビデオ・映像

小林信彦さんが「週刊文春」に連載している、見開きのコラムを長年愛読している。

現在のタイトルは「本音を申せば」だが、それ以前から、ずっとだ。

発売中の最新号(5月3日・10日 ゴールデンウィーク特大号)で、映画「バンド・ワゴン」「荒野の決闘」を、「もしもベスト3を選ぶ場合には必ず入る2本」として挙げていた。

「ああ、そうなんだあ」と思って、即、アマゾンに発注。

便利な世の中ぢゃ(笑)。

これで連休用のDVDは決まりです。





連休用のおやつは“復刻版”4点

2012年05月03日 | 日々雑感







NHK「サラメシ」は優れたドキュメンタリー

2012年05月03日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している番組時評「TV見るべきものは!!」。

今週の掲載分では、NHK「サラメシ」を取り上げました。

ナレーターの中井貴一さんとは以前一緒に仕事をしたことがありますが、その一見堅そうな雰囲気と、この番組での柔らかなキャラクターの落差が面白い(笑)。


情報バラエティーの体裁をした
優れたドキュメンタリー

この4月からシーズン2の放送が始まったNHK「サラメシ」。タイトルは「サラリーマンの昼飯」から来ている。ランチを通じて、働く人の“現場”と“生き方”を垣間見ようという番組で、ナレーターは中井貴一だ。

たとえば美容院のアシスタントのサラメシは、食事当番として自分が作った「おにぎり」。水加減や味付けにも気を配っているが、本人が口に出来たのは夜10時だ。あっという間に食べ終わると、閉店後の練習に取り掛かかる。修業時代の若者らしい懸命な姿だった。

また、アニメーション制作会社のサラメシは、賄いのプロによる手づくりだ。コマ撮りは根気と細心の注意を必要とする作業。人形の顔に汗が流れる一瞬の映像を作るだけで3時間はかかる。一日中スタジオに閉じこもっている職人たちにとって、全員で食卓を囲んでの温かい食事は大きな救いとなるのだ。1食250円の予算だそうだが、鱈の香草焼き、なめこと豆腐の味噌汁がうまそうだった。

この番組の巧みな点は、ランチを題材にしたこと。どんな職場にも違和感なくカメラが入っていける。中井貴一のユーモアあふれるナレーションで紹介される職場の雰囲気、仕事のプロセス、働く人たちの表情、そして彼らを支えるサラメシ。情報バラエティー番組の体裁ながら、優れたドキュメンタリーになっている。

(日刊ゲンダイ 2012.05.02)

ドラマ「悪女について」について

2012年05月02日 | テレビ・ラジオ・メディア

30日に放送されたTBSのドラマ「悪女について」、についてです。

視聴率は、予想を上回る14・7%をマークした。

主演の沢尻エリカは、5年ぶり、堂々の復帰作となったわけで、さぞ喜んでいることだろう。

彼女に対する“需要”も、一応存在したことになる(笑)。

そうそう、まだ放送前、このブログで、以下のようなことを書きました・・・・


このドラマが、豪華なベテラン制作者たちの「やりたかった企画」なのか、それとも、単に沢尻エリカ“復帰”のために用意されたものなのか、それは知らない。

《自殺か、他殺か、虚飾の女王、謎の死》――醜聞(スキャンダル)にまみれて謎の死を遂げた美貌の女実業家富小路公子。彼女に関わった二十七人の男女へのインタビューで浮び上がってきたのは、騙された男たちにもそれと気付かれぬ、恐ろしくも奇想天外な女の悪の愉しみ方だった。男社会を逆手にとり、しかも女の魅力を完璧に発揮して男たちを翻弄しながら、豪奢に悪を愉しんだ女の一生を綴る長編小説。

原作は面白い小説だし、池端さんの脚本で、鶴橋さんの演出なら、極論を言えば誰が主演女優でも(笑)、それなりの作品になるとは思う。

ただ、約35年前の小説を、2012年の今、沢尻主演でドラマ化することの意味が、イマイチよく見えない。

特に、現在、沢尻エリカに対する“需要”が、視聴者側にどれだけあるのかが疑問。

まあ、「問題物件」への興味、「怖いもの」見たさ、なんてのも多少はあるかも(笑)。

それに、敢えて“逆風”に立ち向かうのもまた、制作者の醍醐味だ。



・・・・ドラマでは、複数の人間の証言という原作の形を大きくアレンジ。

3人の男たちとの関係を描く、ひとつながりの物語としていた。

さすが「池端脚本」だ。

またワンカット目から「鶴橋演出」全開だった。

ドラマ全体に、きっちり昭和の香りが漂っていたのも、鶴橋さんならではだろう。

とにかく得をしたのは沢尻で、5年前から演技のレベルは上がっていないように見えたが(笑)、ベテラン勢の力、中でも“鶴橋マジック”に助けられ、彼女なりの悪女を演じきったことになる。

まずは、関係者の皆さん、おつかれさまでした。


<このブログ内での関連記事>

沢尻エリカ「復帰ドラマ」(?)についてコメント
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/a3668ea3895a2b4539cb2bc18e24f652

映画「テルマエ・ロマエ」の善戦

2012年05月01日 | 映画・ビデオ・映像

映画「テルマエ・ロマエ」を観てきた。

予想していたよりも楽しめて、ホッとしました(笑)。

まず、「お風呂」を題材にして奇想天外な物語を生み出した原作者(ヤマザキマリ)がお見事ってことでしょうが、コレを映画化したのもアッパレ。

イタリアまで行き、チネチッタ撮影所のオープンセットで撮った映像は、CGとはひと味違う贅沢なものになっていた。

また、古代ローマのシーンでは、阿部寛をはじめローマ人たちが日本語でしゃべり、現代の日本に来た阿部はラテン語を話す、という仕掛けもいい。

それにしても阿部寛はハマっていたなあ(笑)。





真面目に演じれば演じるほど、可笑しい。

代表作かも。

上戸彩も、CM以外の、たとえばテレビドラマだと、どうにも“座り”が悪いんだけど(笑)、こういう映画なら大丈夫。

映画を観ながら、なぜか懐かしのテレビ番組「カノッサの屈辱」(フジテレビ)を思い出しておりました。