もやいマンション日記

マンション役員の体験を綴った「マンション日記」に、プライベート所感を綴った「nonnon日記」が混ざっています。

No.5「失踪癖、ねこ君の思い出」

2008-06-16 | 日記・エッセイ・コラム

         マンション日記 (理事長編 その5)

巷では、‘ペット条例’等で厳しいマンションも多いですが、うちのマンションではワン・ニャン  が問題にされたことはないですね。飼っているお宅が多くて・・・やっぱりこれも‘数’の力でしょうか。
 2年前の夏の思い出を、チョット語らせてくださいー。

ある日、マンションの掲示版はじめ、近辺の電柱に、迷い猫の写真とポスタがー。
 フムフム、‘3階のお宅のグレーのアビシニアンのDちゃんが失踪・・・?’ 気の毒に、とは思ったが、まさか飼い主夫婦が夜な夜な、1階の我が家のベランダ前に‘張り込み’をするとは、思ってもみなかった・・・。夏の夜、戸を閉めようとすると、向かいの駐車場から「こんばんは」 ・・・‘しまった、さっきの親子喧嘩、もしかして聞かれた?’・・・「うちのDが3階から飛び降りて逃げたので、この辺で捕まえられるかと思って・・・」 「まぁ、大変ですねぇ」 若い、お子さんのいないご夫婦、根性の1ヶ月・・・。思いがかなって、Dちゃんは、少し離れた 一戸建の家に不法侵入したところで、‘身柄’を拘束されました。(あちこちに張りまくったビラの成果!)私は、3人のマンション住人に次々に呼び止められ「どうなった?」と聞かれたので、‘解決’した由、掲示板に張り紙しましたね。それで、D君はすっかりマンションの有名人、じゃなかった有名ニャンに。

これでめでたし・・・と思ったら・・・その1年後、お引越しの際に、またD君、‘行方不明’の報が・・・。ご夫婦が、もう午後には飛行機で発つ・・・という時に、もう1回、部屋を見に来ると・・  あらら、床にウンチがポロリ!! もう一度よーく捜すと・・・何と・・イタイタ、押入れの最上段に・・・ あやうく、もう少しで置いていかれてミイラになるところでしたよ。良かった良かった!  バイバイ、臆病なチョイ悪ねこ。我が家の窓を覗いたり、我が家の廊下にオシッコちびって・・・でもお騒がせニャンのキミがこのマンションから、すっかりいなくなるなんて、かなり淋しいよ・・・東京の猫になっても元気でね。
  次の年・・・元気そうに太った、三角耳のD君の写った年賀状が、我が家に届きましたー。       

 

 

 

 

 

 

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No4「おくやみの掲示」

2008-06-16 | 日記・エッセイ・コラム

         マンション日記(理事長編ーその4)

先日、当マンションのある70代のご主人が亡くなられました。
 うちの夫は仕事で不在でしたので、一人でマンション管理組合の香典を持って、焼香に伺いました。それまで奥様と親しくお話したことはなかったのですが、7年前に脳梗塞で倒れられ、以来、毎日病院通いが奥様の日課だったことなど伺いました。
初めの方は言葉は少ししゃべれたけれど終わりの方では、話しかけるとマバタキで応えられていたそうで。ご主人はベッドの上で毎日奥さんの来るのを楽しみに・・・。毎日、毎日、奥さんはどんな想いで、このマンションと病院を行き来されていたのだろう・・・「7年間・・・大変でらしたですね。」と申しあげると、涙ぐんでいらっしゃいました。  「・・・ところで、掲示はどうしましょうか?」とお尋ねすると「子供も独立していて、病院通いだけの生活だったので、マンション内でのお付き合いは全然なくて・・・」とおっしゃる。 「他の方はどうされているのですか?」 「前回のAさんは、出さないで、というご希望で。」 「では、うちも結構です。」-ということで、マンションの掲示板に出さなかったのですがー。 出棺の時はマンションの玄関で  一人、手を合わせてお見送りしました・・・・。
 ‘人が一人亡くなったというのに・・・なんか淋しいなぁ、これでいいのかな?
 と思ってしまいました。でもお付き合いがない場合、掲示して、どなたも焼香に来られなければ それも、もっと淋しいかも、とも思います。プライバシー保護、無用心(一人暮らしを表示することにも・・・)の要素も・・・。   ハテ、サテ、どうしたものか・・・? 
結局、次の理事会で理事のみなさんと相談して、
「基本的には掲示する。ただし、喪主の方にお聞きして、特にマンションで公表したくないというご希望があれば掲示しない。」 ことで落着。   

夫婦は、事故でもない限り、同時に亡くなる確率は低いです。いつかわが身にも同じ境遇が・・・。     と思うと、他人事ではありません。

マンションには、人生の先輩が沢山おられます。
 -「袖すり合うも、何とやら」です。
理事長を引き受けた期間は、‘しっかりお付き合いしておこう!’ と思ったのでした。

 

 

 

 

 

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