もやいマンション日記

マンション役員の体験を綴った「マンション日記」に、プライベート所感を綴った「nonnon日記」が混ざっています。

No.20「鼻息の思い出」

2008-07-16 | 日記・エッセイ・コラム

              nonnon日記

ちょっと昔、「電話相談カウンセラー」をしていた時の思い出。

人の話を聞く時、自分の価値観や考え方が偏っていては、危険です。

でも生身の人間はみんな個性(偏り)をもっていますから、

勉強の中で、自分はこういう‘傾向’がある、という厳しい指摘を受けて

認識させられる、という‘洗礼’も受けることにもなります。

(自分の個性に対する自信が揺すぶられるのがキツカッタです。)

ボランティア色の強い仕事ながら、電話をとる前に、

それなりに、厳しい‘修行’があるのです。

さて、一応‘修行’を終えて、電話相談デビューの初日・・・。

電話を前にドキドキ、ドキドキ・・・・。

横には、(回線をT字につないである)ヘッドホンをして

‘新米’カウンセラーである私の応答を聞く‘スーパーアドバイザー’。

(超ベテランカウンセラー(60代女性)。キレキレおばさん!)

(つまり、私の応答はしっかり横の‘先生’に聞かれている状態・・・。)

緊張なんてもんじゃ、ありません。もうドキドキで死にそう・・・・。

「リーン」  「はい」

「もしもし・・・」 「はい○○センターです。」

「はアーはアー・・・」 

「はい、どうぞ何でもお話ください。(ドキドキ、フーフー)

「はアー、はアー、オレが・・・俺が今、何しているか解るか・・・フー・」

「・・・はい・・・何でもお話ください・・・フーフー(緊張の鼻息・・・)」

「なんでも?・・・フーフー・・・・」

「・・・はい、なんでも、・・・・フーフー・・・・」

「・・・・ブツッ」・・・・・・・・・・・・「???」

かくして、私の3年に渡る勉強の成果を問うべき、初日の

カウンセリング電話が終わったのでした。

ただ、お互いの‘鼻息の音’ だけを、

鮮烈な記憶として     ??

私の耳の中に残して・・・   

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まぁ、でも誰でも、鼻で息をしなくなったら、お仕舞いだからー。

これも生きてるって、証拠ですよねぇ?

どこでも、この話をすると大笑いされるのですが、あのコチコチに緊張して

受話器を取った日々が懐かしい。

厳しく指導してくださった先輩おばさま方は、この国の(ちょっと大袈裟だけど)

「亡びていない良心」を教えてくれたような気がします。

 

とにかく、忘れがたい「初体験」の思い出です。

コメント
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