もやいマンション日記

マンション役員の体験を綴った「マンション日記」に、プライベート所感を綴った「nonnon日記」が混ざっています。

No.36「戦争と父」

2008-08-16 | 日記・エッセイ・コラム

             nonnon日記

 私の父は被爆者である。

当時、広島大学の学生で、理科系だった為に徴兵を免れていた父は

たまたま8月6日の‘その日’ー

風邪をひいて研究室に出掛けず、下宿の2階の部屋で寝ていた。

喉が渇いて、1階に水を飲みに下りた時に、‘閃光’が走った。

下宿は山の手にあったそうだが、後で2階の部屋を覗くと、ガラスの破片

だらけだったそうで、あのまま布団に寝ていたら、体中、ガラスまみれに

なっていただろう、と言っていた。

その後、町中から、体中焼け爛れた人々がぞろぞろ、山の手に避難して

来たそうで、‘水をください、水をください’と訴えるので、水を飲ませて

あげると、ガクッと、息を引き取った人がいて、

それから父は、お水をあげてはいけない、と判断したそうだ。

 川の中には人が沢山浮いていて、それはもう

恐ろしい地獄図だったそうで・・・、父もあまり多くは語りたがらなかった。

陸上の選手で、体が丈夫だった父は、後で鼻血が出ただけで、何も

後遺症はなかったようだ。         

その後、戦争未亡人で実家に出戻っていた母に‘執拗に’アタックして

ゴールインしたのだから、原爆も終戦もなにせむや・・・。

常に‘希望’と‘恋心’を忘れない‘タフな父ちゃん’・・・・。

母が67歳で亡くなって2年間は悲嘆に暮れて、お墓の前で酒飲んで

酔っ払って寝たり・・・・。

‘お母さんが、ここにいればいいのになぁ’と言ってお酒を飲みながら

リビングテーブルの私の向かい側でワーワー泣いたり・・・

しかし3年目、積極的に‘合コン’など出かけ・・・

その後の‘恋’も私が‘知ってる’だけで2回??

87歳の今も病室で  ‘あの看護士さんが一番可愛い’ とか・・・

・・・・やれやれ・・・・娘としては・・・・ヤレヤレ・・・・。

 

コメント (2)
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