nonnon日記
入院中の夫が、ひどい下痢を起し、3日間続いた。
原因は、液体の下剤を17滴洩られたせいだという。
同室の付添奥さんに話すと・・・・。
「エーッ、うちの夫だってせいぜい10滴よ。
なんで?・・・・何で17滴も?」
わけが解らないので、最初、夫はイジメに合ったのかとさえ
思って心配したー。
ところが・・・・視線入力装置で、夫が語るところによると・・・・。
「便秘していたので、昼間の看護師さんが、10滴入れたそう。
それを知らなかったので、夜勤の看護師さんが来た時、
自分が、7滴入れてくれるよう頼んだ」
10+7で、17滴が夫の胃に入ってしまったそうなのだ。
夫の言葉は、ほとんど聞き取れないことが多いが、たまに
文字盤を使って、しっかりコミュニケーションすることができる。
昼間の看護師さんは、夫をコミュニケーション不能の患者と
みなし、夜勤の看護師さんは、夫を信じて‘指示’に従った・・・・
ということだろうか。
申し送りミスだと師長さんは誤ってくださったが・・・。
意思や要望を表明できる人であるか否かーの
グレーゾーンにいる夫の苦難・・・に思えるのだ。
人はその‘能力’を失いつつある時、どのようにして
それを受け容れるのか、心のバランスを保っていけるのか・・・・。
それは、いつの日か、誰の身にも起こりうる試練だ。