もやいマンション日記

マンション役員の体験を綴った「マンション日記」に、プライベート所感を綴った「nonnon日記」が混ざっています。

No.274「厚生労働省にお願い(その1)痰の自動吸引装置」

2015-01-12 | 健康・病気

                            nonnon日記

ここ数年の‘夫の入院生活の付添い’の経験から言わせてもらえば、

病気の種類や症状によって、病院に入院できる期間は、~3週間、3~4か月、

数年、と区分けされているようだ。それは、病状を基に、厚生労働省の定める

診療報酬の体系として‘セット’されているようなのである。そして、概ね、

短期入院の一般病棟は、看護スタッフの数が多く配置され、中、長期入院の

障害者、長期療養病棟は、患者数に対する看護スタッフの人数が少ない、

のが実情である。

しっかりと、‘経済的要因’を基盤として、医療制度が成立しているのだ。

我が夫は、進行性の神経難病なので、長期入院コースに入れてもらい、

(自宅介護があのまま続いていたら、私の体はもたなかったと思うので、)

病院には、大変感謝している。

しかし、どうしても、是非にも、訴えたいことがある。

それは、「痰の吸引」についてである。

癌患者の末期も同じようだと聞くが、事故、脳卒中、夫のような神経難病等、

重度の障害で、嚥下能力の弱った人、気管切開や気管挿管をしている

病人にとって、日々の最大の苦しみは「痰」である。

詰まると、呼吸が苦しくて、ズルズル、ズルズル・・・と、

病室では、あっちでもこっちでも、痰を吹き上げる苦しそうな音がする。

尿路感染症や、肺炎で熱を出した時は、特に、痰が多くなる。

たまった痰を、本人が必死でジュジュジューと、カフス(喉に穴をあけて

挿入したプラスチックの筒)から吹き出し、胸元がベチャベチャになるので、

いつもタオルを置いておく。夫を含めて、周囲にはそんな病人が多い。

特に、人手が少なくなる夜間と、土日祝日等は、まめに痰はとって

もらえないのが実情である。

時間を決めて、回ってケアして、指の先で、血液中の酸素濃度を測り、

数値が下がっていれば、酸素マスクをつける。

だから痰をあまりとらなくても、滅多に死ぬことはない。

つまり、「死なない程度に、痰を取る 」 のが実情である。

家族が傍に付いていて、コールすれば、取ってもらえる。

でも、一気に長い時間吸引する看護師さんにしてもらうと・・・

肺の中の空気がなくなって、病人はとても苦しいので、

顔が赤紫色になり、その瞬間、反り返ってもだえる。

日々、拷問を受けているようだ。

 

夫の気管切開手術をしてもらう前、

(周囲の‘先輩’を見て、痰が辛いのが分かっていたので)

心配してくれた  従姉に情報をもらい、

「痰の自動吸引装置」 について調べた。

自宅介護では、認可されていると知り、「徳永装器」 という会社

にも問い合わせた。

ところが・・・病院の看護師長さんと主治医に尋ねたところ・・・

「この病院では、検討したことはあるが、まだそのような装置の導入はない。」

と、断られてしまった。

近所の病院では、病院長が、「金魚の水槽の浄化装置」にヒントを得て、

独自に痰の吸引装置を開発した、という話も聞く。

病人の痰の苦しみは、自宅にいても病院にいても同じである。

厚生労働省の方が、もしもこの文面を見てくださったら、どうかお願いです。

病院でも、痰の自動吸引装置を導入して、少しでも痰による苦しみを

軽減できるよう、装置を導入しやすいように、

診療報酬体系に組み込むなどして、導入促進策を講じてください。

(機械を導入すると、さらに人員を減らす・・・という制度は困るけれど)

今、痰に苦しむ病人の姿は、決して他人事でなく、いつ、何時、

あなたや、あなたの家族、そして私を含め、誰の身にも起こりうる

人生最後の‘苦難’かも知れないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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