nonnon日記
(現在のハク。6月下旬に急性膀胱炎を患った。腎臓が悪いので、獣医さんに
指導してもらって、(2日間、実技演習に通って)輸液と器具を購入して、1日置
きに私が自宅で背中に輸液点滴をしている。飲まず食わずになった時は、もう
お別れかと思ったが、持ち直して2か月近くになる。食欲も出て、以前の4分
の3位、元気に過ごしている。)
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じいちゃんが老人ホームに入ってしまって、シロとハクは2匹で、「番猫」して
いた。たまに、じいちゃんが人間の娘Aに連れられてホームから家に帰ってくる
と・・・・シロとハク、特にハクが、ベタベタと甘えて体をじいちゃんに、何度も
こすりつけて来たそうな。最初、感動シーンで、喜んでいたじいちゃんも、それが
余りにいつまでも続くので・・・ハクの「ベタベタ体当たり攻撃」に参ってしまっ
て・・・「もう、ええ。あっち連れてってくれー」と音を上げたそうである。
それほどに、じいちゃんを待ち続けていた2匹だった・・・。
そんなある日、娘Aが、家を訪ねてみると・・・2匹の姿が見えない。探してみる
と、2階のじいちゃんのベッドの布団の上に、ハクがうずくまっていたそうな。
あれ、シロは?・・・と布団をめくると・・・
なんと、布団の中で、シロが冷たくなっていた! (シロも20歳位だった。)
ハクはどれだけの日数、時間、そうしてシロの傍にいたのだろう?
母猫の死に戸惑ったはずだ。「お母ちゃん、お母ちゃん、」と何度呼んでも、
お母ちゃんは起きてこない。生まれて13年間、母親の傍で暮らしてきた息子猫
である。いきなり1匹ぽっちになって、どんなに心細くて淋しかったことだろう。
(その時のトラウマなのか、ハクは今、我が家で、決して布団の中に入らない。)
それから何と、5年半の間、ハクはまったくの1匹ぽっちで古家で暮らした。
娘Aは、いつもハクを気にしながらも、忙しいので、便利屋さんに頼んで、ご飯と
トイレの世話をしてもらったりした。(隣の一人暮らしの小父さん宅にもよく
お邪魔したそうだ。ハクが網戸を勝手に開けて入って来るので、網戸がボロボロ
になったーと娘Aは苦情を言われたことも。)
ハクにとって、母猫もいなくなった後の、1匹ぽっちの5年半は、どんなに
長かったことだろう・・・。
そしてついに、じいちゃんも亡くなった・・・。
じいちゃんの骨壺の前の座布団の上に、しばらくハクは寝ていたそうである。
その時期を境に、じいちゃんのベッドの布団の上に、死んだトカゲや雀等の
猫にとっては「律儀な貢物」が並ぶ・・・娘Aにとっての、「恐怖の光景」も、
一切なくなったそうである。(ある日には、廊下に落ちていた「汚いヒモ」を
ヒョイと、つまみ上げたら・・・何と、よく見たら、「乾燥したヘビ」だった
そうな・・・「ウギャー」である・・・人間と猫の’文化‘の違いなので、
この溝は埋めがたいものがある。ハクの気持ちだけは受け取っておこう。)
どうも、ハクにはじいちゃんの死が解ったのでは・・・と娘Aの言。
さてそれから・・・ハクをどうしよう、というのが、悩みの種になった。
娘Aの子供と孫には猫アレルギーがあって、引き取れない。
ハクを可愛がってくれた隣の小父さんも、自身が高齢なので引き取れないという。
保護猫フェアに出しても、17歳の高齢猫を誰が引き取ってくれるだろう?
小父さんが「安楽死させるのも可哀そうだし・・・」と言っていると聞いて、
「そんな・・・・」というわけで、やむを得ず、娘Bが引き取ることになった。
そして、九州から北海道まで、飛行機の貨物室で揺られて飛んで来たのだ。--------
ハクのこれまでの「苦労」を思う時、その体と心の「強さ」に・・・
人間と猫という「種」を超えて、尊敬の念を抱いてしまう。
娘Bは、この3年近く、ハクにいつも「元気」をもらっているのだ。
でもハクはもうすぐ20歳、そう、解っています。そろそろ、じいちゃんと
シロが呼んでいる。
ハク、あとどれだけ一緒に居られる? 君がいなくなったら、私はどうしよう?