もやいマンション日記

マンション役員の体験を綴った「マンション日記」に、プライベート所感を綴った「nonnon日記」が混ざっています。

No.405 「‘老い’と‘守り’」

2024-11-01 | 日記

           nonnon日記

私の住むマンション向かいの一戸建の家が壊されて先週、更地になった。

それについて、その隣の一戸建の80代の奥さんと立ち話をした。

「おばあちゃんの代からのお付き合いなので、思い出が多くて涙が出るわ。」と。

私も2度程、その頃80代だったおばあちゃんにオイデ、オイデ、をされて、庭の

お花を沢山いただいたことを思い出した。その後おばあちゃんは入院したそうで、

50~60代の娘さんが一人で住んでいた。2週間前にブルドーザーが来て、家は一気に

破壊されて、今は完全に綺麗な更地だ。こんな光景は、この頃よく見かける。

「ここの家の歴史が終わった。」「あの日々はどこへ行ったのだろう。」

と散歩途中に思うけれども、やがてまた新しいピカピカの家が建って、前の古い

家は忘れ去られる。「元々この土地は誰のものでもなかったのか」とも思う。

「生命の起源」はまだまだ解明されないけれど、私も何か縁あってこの世に

現れた「ただの点」に過ぎない気がして来る。

「今日は何を着よう、何を食べよう、夫の病室に何を持って行こう」という

日常の雑務におわれながら、春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来る。

そうしてそのうち体が悪くなって、どこかに‘収容’されて、用意したお墓に入れて

もらうだろう。そのお墓もいつまでも安泰、でもないかも知れない。

ここまで来たら、あまりみっともなくない人生の終盤期を守れれば、まず

オンノジである。

腎臓を労わって、食べすぎず、飲みすぎず、運動して、できるだけの健康を維持。

行動範囲は無理をせず、自分の能力の範囲以内のお付き合いに縮小。

(守り、に徹して、面白くないバアチャンではある。)

「守り」の生活ではあるけれど、最近、散歩で動植物、生き物から学んだこと、

が一つある。

それは、全ての生物が、必死で、子孫を残そうとすること。

自らの命を削っても、次代を守る。命をつなげて地球上に残そうとすることだ。

花壇でも土の中で花同士の熾烈な陣地拡張競争があり、樹木も今にも枯れそうに

弱っていても最期まで目いっぱい実をつける。「なんで、そこまでするの?」と

尋ねたい位だ。この土地は、人間だけのものではない、今生きている動植物と

共生できる環境を維持しなくては、人間も滅んでいくのでは・・・

と、‘守り’ に徹するバアチャンは心から思う。

 

 

 

 

 

 

 

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