nonnon日記
夫の入院している病院は、一応完全看護ではあるが、
夫が片手スプーンで食べるのに疲れるというので、
頻繁に、食事介助に出かけている。
スプーンですくい難い形のものを、スプーンに載せたり、
フォークで突き刺して口に運ぶ介助をしている。
夫の病室は3人部屋。
向かいのベッドの80代男性Sさん(ベッド中心の生活を
されている方だが、両手は使えるので、食事はいつも
自力で食べている)が、食事を運んできた看護婦さんに、
ある日、いきなり 「タベサセテー」と叫んだ。
若くて綺麗で、優しそうな看護士さん、「あらー、Sさん、
どうしたの?いつも自分で食べてるじゃない」
「・・・・・・」 (私は向いで、どうなることか、と注視。)
「じゃあね、他の仕事終わったら、後で来ますから、
それまで、ご自分で食べれるだけ食べていてね。」
サーッ、と行ってしまった。
見ていると、Sさん、いつものように、シャカシャカシャカ・・・
と一気に食べてしまった・・・・・。
‘看護士さんは、流石プロ’、と感心してしまった。
Sさんの奥さんは、腰の骨が潰れており、年末に
心臓の検査入院をするそうで、家も遠いので、
なかなか病院に来られない。
Sさんの心境は、小学校の授業参観に、なかなか来ない
母親を待つ・・・運動会で、家族が見に来ない・・・
子の心境であろうか、と想像する。
しかしSさん、あなたは、80歳までは健康だったのでは
ありませんか、うちの夫はまだ50代ですぞ。
いくら「アーン」してもらっても、トータルした人生の
‘幸福度’は、あなたの方がズーッと上ではありませんか。
ウーン、人生の幸福度???
それって、比較できるものかどうか・・・・
病院にいると、ついそんなことを、考えてしまうのです。
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