こんにちは、矢本です。
さて、いま大学3年生にプロジェクト・マネジメントの講義をしているのですが、最近感じることを少々。
授業では、就職活動、卒業研究、卒業制作など、自分の関係するプロジェクトを例にして、そのプロジェクト計画書を作ってもらうことを課題にしています。計画書には、以下の9つの項目を入れます。システム系のお仕事の方には、釈迦に説法で恐縮です。
・統合管理(プロジェクトの定義や概要など)、・スコープ(範囲)管理、・タイム管理(スケジュール管理)、・コスト管理、・品質管理、・人的資源管理、・コミュニケーション管理、・調達管理、・リスク管理・・・・・・・この9つはPMBOKという教科書に書かれている。
さて、このうち学生が特に興味を持つのが、コミュニケーション管理です。
下図は、そのコミュニケーション管理のフレームワークのひとつ。この場合はM&Aを例にしています。プロジェクトに関連するステークホルダー(SH)を特定して、各SHへの対応を考えるものです。
ステークホルダーによって対応のパターンを分けています(図の赤字参照)。
さらに対応方針を記入したのが、表になります。これは、SHに対してどういう方針で接触するということをを書いた資料にすぎませんが、対応方針が共有できるメリットはあります。SH本人が知ると良くない内容も含まれているので取り扱い注意ですが(笑)。
さて、学生の場合は、就職活動など各自のテーマを考えます。彼らのプロジェクトにもステークホルダーが沢山います。
例えば、就職活動の場合は、指導教官、講義の諸先生、先輩、同級生、後輩、両親、兄弟、更に自分の就職先をあれこれ批評する親戚まで・・・・あるようです。対応方針はみなとても細かく書いています。たとえば、
(対応方針・重要事項の例として)
・自分だけいい子になり先輩からの情報を教えてくれない○○さんには、最低限の就職イベント情報だけを話す。
・希望企業の社会人Xさんに、後輩として親しいY君と一緒に会って、職場の様子を聴く。
・・・・・方針からズレた内容もありますが・・・まあ置いておいて(笑)。
こんな風に、この部分についてはかなり細かく書いていくるので、彼らも人間関係にかなり配慮していることが伺われます。
みな理科系の学生で、真面目でおとなしいので、コミュニケーション意識が希薄なのかと思っていました(笑)。
さて、実は気になるところがあるのですが、私が仕事でこのフレームワークを使っているのを見たのは、サンプルにあるようなM&Aの時の資料くらい。実はその時の事例があったので、このサンプルを作ったのですけど、教科書にはフレームワークの説明と簡単な事例しか書いてない・・・。
特にシステムのプロジェクトでは一度も使っているのを見たことがない・・・。
教科書にあるから教えてますけど、実際にあまり使わないフレームワーク教えてもどうかなあ・・・・などと思っています。
みなさんに少しお伺いしたいのですが、特にプロジェクト・マネジメントをやっている皆さん、このフレームワーク使ってます? 使えると思いますか? 少し教えていただければ有り難いです。
*******
雑感と疑問を連ねた記事で恐縮でした。
もう年の瀬ですね。みなさん良いお年をお迎えください。