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不動産の統計

2011-12-30 21:42:11 | 11期生のブログリレー

今晩は、才村です。

 今回は、先日の実務実習でオフィスの動向を調べていたとき、たまたまネットで入手した統計資料から私が興味を持った内容を紹介します。この統計資料は、()不動産流通近代化センターが発行している、2011不動産業統計集(9月期改訂)です。アドレスは、http://www.kindaika.jp/chosa/tokeiです。

 

1.統計4 不動産賃貸

(1)東京圏のマンション2LDK~3LDKの家賃相場(2010年9月1日現在)

【常磐線沿線】

北千住(上野まで10分)11.515万円、松戸(上野まで20分)911万円、柏(上野まで30分)811万円

 

【東上線沿線】

上板橋(池袋まで13分)1013.5万円、志木(池袋まで20分)8.511万円、川越(池袋まで30分)811万円

 

【中央線沿線】

荻窪(新宿まで9分)1316.6万円、吉祥寺(新宿まで12分)1521万円、国分寺(新宿まで20分)1114.5万円、立川(新宿まで26分)913万円、八王子(新宿まで37分)913万円

 

【田園都市線沿線】

二子玉川(渋谷まで10分)1318万円、宮前平(渋谷まで22分)9.514万円、長津田(渋谷まで28分)8.513万円

 

⇒マンション住まいの方は今の家賃が相場より高いか、低いかが分かります。私が住んでいる常磐線沿線は東上線沿線と同一家賃、それらより中央線沿線、田園都市線沿線の方が高い家賃になっています。デパートが多く井の頭公園のある吉祥寺は荻窪より高くなっています。

 

(2)事務所着工床面積の推移

【全国】    2000年 8172千平方m、2005年 7759千平方m、2010年 5546千平方m

【うち東京圏】 2000年 3083千平方m、2005年 2669千平方m、2010年 2500千平方m

 

事務所着工床面積は、全国的に減少傾向です。しかし、東京圏は変動大ですが、ならすとほぼ一定傾向です。オフィスビルは長年月使われますので、不動産会社は、長期間を見通して東京圏のオフィス需要が堅調と見込んでいるものと思われます(東京駅前の旧丸ビルは76年間使用)。

森トラストの資料によると、東京23区のオフィスストックの状況は、3割が新耐震基準施行前の1970年代以前に竣工したビルとなっており、防災性能の劣る老朽ストックの更新需要もあることが分かります(私が半年間通っていた渋谷の古いビルは、この前の地震で窓ガラスにひびが入ってしまいました)。

他方、M7級首都圏直下型地震が起きる確率は、今後30年以内に70%と言われていることを考慮すると、東京圏にばかりビルを建てていいものかとも思ってしまいます。

 

 ちなみに、私の近所で新築中の建物は、数年前は賃貸アパート、駅前の高層マンション、近くの大学でしたが、今は賃貸アパート、老人ホーム、無病息災を願う人が多い宗教施設であり、世の中の需要を表している気がします。

 

(3)東京における事務所従業員一人あたりの平均床面積(契約面積)の推移

2000年13.5平方m、 2005年12.9平方m、 2010年11.8平方m

 

⇒毎年、少しずつ狭くなってきていることが分かります。OA化の推進で書類が少なくなってきていることや企業が事務所経費を節減しようとしているのでしょうか。

 

(4)東京のオフィスビル平均募集賃料と空室率(2010年9月期)

丸の内・大手町・有楽町 24,560/坪、3.6%

内神田・神田須田町   18,860/坪、5.3%

日本橋・八重洲・京橋  15,970/坪、6.8%

銀座          17,830/坪、8.4%

渋谷          14,560/坪、9.4%

西新宿         17,210/坪、7.6%

 

⇒このデータによると、東京駅周辺が一番高く、秋葉原駅周辺、銀座、西新宿の順に安くなることが分かります。

 1坪=約3.3㎡ですから、東京駅周辺に勤務している従業員1人当り約9万円の賃料が掛っていることが分かります。本社を東京駅周辺から渋谷に移せば、約5万円になって削減効果が大きいので、東京西部に住んでいる従業員は「事務所を渋谷に移して、私の給料を上げて」と言いそうです。

 空室率も東京駅周辺が低いので、東京駅周辺にビルをたくさん持っている不動産会社は効率よく収益を上げることができます。

 

2.統計6 土地

国土交通省の「地価公示」によると、ピーク時の1991年を100とすると、2010年には全国住宅地では50、全国の商業地では28まで低下している。リーマンショック前の2008年にかけて少し回復して、再び低下している。

 

⇒これだと確かに土地を担保にした企業の資金調達力は不安定になります。今後もデフレ傾向が続くとすると地価上昇が見込めませんので、いかに土地を有効活用して、快適な生活を送るか、収益を上げるかがカギになります。私は1989年に土地を買いましたが、今振り返ると丁度ピーク時の直前でした。上野へは1時間掛りますが、静かで緑が多く、駅に近い今の土地が気に入っています。

 

今年もあと1日を残すだけになりました。今年は巨大津波や放射能汚染のような低確率と予想された災害が現実に発生し、いるはずの人がいなくなり、住む家が無くなってしまう多難な年であり、お金に代えられない命や絆、助け合い、共感力の大切さを知らされた年でした。

 

皆様、良いお年をお迎えください。

コメント (1)
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