「稼プロ!」事務局の小林 隆です。
本日12日、今年一年の世相を漢字一字で表現する2016年「今年の漢字」(公益財団法人 日本漢字能力検定協会 主催)が発表になった。
2016 年の第1位は 「金」。
理由は、「リオ五輪に沸き、東京五輪に希望を託した「金」(キン)と、政治と「金」(カネ)問題に揺れた年、スポーツ界に新たな金字塔、マイナス金利初導入、シンガーソングライター(ピコ太郎)の金色衣装などにも注目集まる」ということである。
私は今年は、いろいろな意味で予想をくつがえす、大きな変化があった1年だと感じている。
特に国際情勢に関しては、英国のEU離脱、IS及びシリア情勢、トルコ・バングラディシュのテロ、ロシアのクリミア併合、アメリカ大統領選挙、円高から再びの円安への転換など、予想がを覆すいくつもの環境変化が起きた1年であったと感じている。
国内においても、マイナス金利の導入、シャープの鴻海による買収、三菱自動車、スズキ自動車の燃費データ偽装の発覚、築地市場移転にともなう豊洲市場の問題など、今まで見過ごしてきたことのツケが顕在化した1年だったのではないだろうか?
将来の日本へ目を転じると、すでに人口減少がはじまっており、今年行われた10年ごとの国勢調査では、1920年の調査開始以来初めての人口減少が確認された。
人口減少にともない、将来は経済もシュリンクすると言われている。政府では、人口減少を1億人レベルに止め、1億総活躍社会を達成することで、経済の活力を維持しようとしている。
今までは、IT、IoT、AIや様々な技術が進歩すると、人の職が奪われるのではないかと危惧されてきた。しかし、人口減少に伴い労働力人口も減少する社会では、技術革新を使い、いかに少ない労働力で、高い生産性を上げるかが、カギになってくる。
例えば、金属の切削加工業で熟練工が削っていた金属加工がコンピューター制御のNC工作機に置き換わったように、道路や建物を建設する重機がコンピュータ制御により建設を行う時代がまもなく来るであろう。事実、すでに福祉や建設の世界では、人間の動きを補助するロボットスーツも実用化が進んでいる。
日本の国は、これまでも石油ショックや円高など幾多の危機を知恵と努力で克服してきた。黒船などの外圧がかからないと、なかなか自発的に動けないという国民性を併せ持つが、ひとたび危機が訪れると、その対応力では素晴らしい能力を発揮してきたのが日本人だったのではないだろうか?世界情勢を含め、大きな変化の兆しが見えた1年。来年以降は実際にその対応に追われることになるだろう。
しかし、ピンチはチャンス。今こそ日本人の真骨頂を発揮すべき時ではないだろうか?
それを、民間で後押しするのは私たち中小企業診断士の仕事。高い志とビジョンをもって、クライアントと社会に仕事を通じて奉仕したいものだ。
さて、「今年の漢字®」であるが、個人的には第4位となった「震」あたりが、今年らしいと感じている。皆様はいかがだろうか?