みなさん、こんにちは。19期の西山です。
新型肺炎が心配ですが、まずは手洗い、うがいで予防に努めたいと思います。
さて、今回のテーマはこちらも世間を賑わせているSDGsです。
私の仕事でもクライアントからSDGsについての問い合わせが増えています。
実際にどうPRしたらいいのか、大企業・中小企業問わず、悩んでいるようです。
SDGsは2015年に国連で採択された2030年までの世界目標です。
17の分野別のゴールと、それを達成するための169のターゲットがあります。
途上国だけでなく先進国にも、政府だけでなく企業にも取り組みを求めているのが特徴です。
SDGsのゴールを達成するためには、全企業の99.7%を占める中小企業の主体的な参加が欠かせません。
ところが、中小企業におけるSDGsの認知は依然、低いままです。
経済産業省関東経済産業局が2018年に実施した調査によると、
調査対象の中小企業500社の中でSDGsについて全く知らないと回答した企業は84.2%、SDGsの対応を検討していない企業を含めると98%に達します。
<SDGsの認知度・対応状況>
SDGsについて全く知らない:84.2%
SDGsという言葉を聞いたことがあるが内容は詳しく知らない:8.0%
SDGsの内容について知っているが特に対応は検討していない:5.8%
SDGsについて対応・アクションを検討している:0.8%
SDGsについて既に対応・アクションを行っている:1.2%
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/seichou/SDGs_ninchido_chosa.html
今のところ、SDGsの取り組みを進める企業の多くは大企業であり、中小企業と大企業の間にはかなりの温度差があるように感じられます。
中小企業の経営者にとってSDGsという世界目標は遠い世界の話で、なかなか自分事化しにくいかもしれません。
他方で、SDGsという機会をうまくとらえ、経営を好転させる企業も出始めています。
たとえば、環境省が中小企業の目線で編集した「SDGs活用ガイド」は、企業にとって下記の4つのメリットがあると解説しています。
- 企業イメージの向上:社会からの信頼が高まり、人材確保にも寄与する
- 新たな事業機会の創出:今までになかったイノベーションやパートナーシップが生まれる
- 社会の課題への対応:経営リスクの回避、信頼の獲得につながる
- 生存戦略になる:SDGsへの対応が取引条件になる可能性がある
http://www.env.go.jp/policy/SDGs/index.html
ほかにも、ESG投資に代表されるように、投資家や金融機関から資金調達しやすくなる、
社会から評価されることで従業員のモラール向上につながる、などのメリットもあります。
2017年の世界経済フォーラム(ダボス会議)では、SDGsによって年間12兆ドルの経済価値が生まれるという発表がありました。
そもそも社会課題の解決自体が巨大なビジネスチャンスだという発想が中小企業にも欠かせません。
SDGsに取り組むとなぜいいのか、どんな効果があるのかと議論する時期は過ぎているかもしれません。
SDGsの取り組みはやればやるだけプラスになり、逆にやらないとリスクになります。
といっても、SDGsのすべての目標に対応する必要はありません。
まずは「できること」「できそうなこと」から始めれば十分です。
経営資源の限られる中小企業にとって、SDGsという新たな取り組みは簡単ではありませんが、この機会を活かす価値は大きいと言えそうです。