こんにちは。
19期生の廣瀬達也です。
多くの中小企業診断士が関わっている企業の課題の1つとして事業承継問題があります。
特に中小企業の場合は後継者問題(候補がいない・育っていない)という、「バトンを渡したいのに適切な渡す相手がいない」ケースが多いように思いますが、世の中には逆のケースもありますね。
ニュースや新聞などでも見かける「現リーダーがバトンを離さない」というヤツです。
コレについて最近知人がSNSで紹介していた記事が妙になりました。
日本がダメになったたったひとつの理由「引退しないニッポン」(上)
https://comemo.nikkei.com/n/nac3abb168760
です。
一部を引用すると
”日本がダメになった理由は、いろいろとあげることはできるのだが、たったひとつをあげるとしたら―50歳を過ぎても引退しなくなったこと。”
”現在、社会に、この引退・隠居の仕組みが弱くなった。引退しないで、70歳台、80歳台になった高齢者たちが、これだけデジタル技術が進んだ社会にもかかわらず、影響力を及ぼそうとしている。40年も50年も前に学んだ学生時代の知識やスキル、世界観で、メタバースを理解しようとするから、おかしくなる。土台、無理。”
このあたりは特に新しい話ではありません。
気になったのは
”一方、欧州はどんどんリーダーが若くなっている。欧州に年寄りはいないかといったら、どっさりいる。みんな、引退している。引退したら、現在のリーダーのいうこと、やることに口をださない。引退したら、なにもしないのではない。社会のなかで引退の役割がある。その分を果たしている。”
の
「引退したら、なにもしないのではない。社会のなかで引退の役割がある。その分を果たしている。」
というところです。
(なぜ急に欧州の話し?欧州は本当にそうなの?というツッコミはおいておいて)
この「引退の役割」「その分を果たしている」がポイントと感じました。
「引退の役割」とか「その分」がきちんと理解できていないことが、日本で現役に執着するサイクルが回ってしまっている原因の1つではないか…と思ったのですが、残念ながらこの記事は「その分」は何なのかには言及してくれていません。(ただ「上」となっているので、「下」で言及されるのではないか。とちょっと期待しています)
この記事を読んで以来、「引退の役割」とか「その分」のことを考えるようになりました。
これらを理解することが、キレイな引退・隠居の仕組みの再構築になるのではないかと思うからです。(記事にも登場している本田宗一郎さん、この方の引退は「抱き合い心中」として一部では有名です。社長である本田宗一郎さんを「抱き合い心中」導いた当時の「相方」である副社長・藤沢武夫さんあたりは、「その分」がしっかりと見えてたのかもしれません)
▼本田宗一郎と藤沢武夫(本田技研工業) 第10回 二人揃って退く
https://j-net21.smrj.go.jp/special/biography/20060426.html
そして、後継者を育てることだけでなく、現リーダーに対して「正しい引退」、「その役割」を示すことも診断士としても求められるのではないか。そんなをことを考えさせてくれる記事でした。
「バトン」つながりで、見出し画像に「そして、バトンは渡された」の表紙を使いました。
私は原作読んだだけ(映画は観ていない)なのですが、いい作品です…(^_-)-☆
▼「そして、バトンは渡された」
https://www.amazon.co.jp/dp/4163907955/