こんにちは。田村隆一郎です。
先週の日経新聞に『試練のネットスーパー』という2日連続の特集記事が載っていました。
ネットスーパー。
皆さんは利用していますか。
首都圏のスーパーでは、大半の店舗でネットスーパーが展開されています。
ネットスーパーは、クリック一つで店頭と同じものが買え、しかも自宅まで届けてくれるという利便性があり、利用する人が増えています。
一定金額以上(2~3千円程度)では、配達の送料が無料になるため、お得感もあります。
そのため、売上の増加を狙い、スーパー各社はネットスーパーを展開しているのです。
ところが、日経の記事にもあったように、ほとんどのネットスーパー事業は赤字です。
(サミットネットスーパーは赤字が続いたため、今年の10月にすべてのサービスを停止しました。)
その理由は明確で、
・店舗でのピッキング~梱包コストが掛かる
・配達コストが掛かる
からです。
ネットスーパーでは顧客から注文があると、店舗の担当者が配送便ごと(約2時間ごと)に一括でピッキングをします。
その後、バックヤードで、顧客別の仕分け、検品、梱包作業が行われます。
このピッキング、仕分け、検品、梱包のコストが、1件当たり数百円。
そして、軽トラックに積んで、顧客まで配達するコストが1件当たり数百円。
合計で、1件当たり1,000円程度(もしくはそれ以上)のコストが掛かっています。
それらのコストは、通常の店舗販売では発生しません。
通常のスーパーの買い物では、
・商品のピッキング(=商品をカゴに入れる行為)は顧客自身が行います。
・検品(=選んだ商品に間違いはないか、品質に問題はないかの確認)も顧客自身で行います。
・梱包(=レジでお金を支払った後、レジ袋に入れる行為)も同様です。
・そして、配達(=店から自宅まで運ぶ行為)も顧客が行います。
つまり、本来顧客が行う作業を、ネットスーパーでは店舗の従業員や配達員が行われなければなりません。
しかも無料で。
そのため、大抵のネットスーパー事業は赤字となっているのです。
現在、各社は配送効率化のために物流体制を整備したり、在庫の拠点を見直したりしています。
しかし、赤字の解消にはほど遠い状況です。
今後、より一層ネットスーパーを拡大するのか、もしくはサミットのように撤退するのか。
しばらく、各社の動きに注視していきたいと思っています。
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ひのっちさんが書かれているAmazonは、コンピュータ管理ですが、ピッキングは、人が行っているはずです。
ただ、Amazonは、手にとらなくてもわかるものが多いですが、生鮮・野菜などは、自分で確認したいですね。
そういう意味で、需要が低いのでコストがペイできないのではないでしょうか?
14期生の日野卓郎です。
ブログを楽しく読ませて頂きました。
最近よくAmazonを利用するんですが、
あのビジネスが儲かってるのは
単に他社製品を運送することに
ビジネスを絞ってるからなんでしょうか。
確かに、単価の小さいものをネットで売っても、値上げも難しい中では上積みコストを回収できないですよね。
消費者側からすると、非常に便利なサービスだと思うのですが。