12期生の山岡です。
先日の講義の際の國貞先生の話は非常に興味深く拝聴いたしました。財務3表の話をしていただけるものと思っていたら、ドラッカーとは。よい意味で期待を裏切られました。
あらためてドラッカーに興味を惹かれたので、さっそく先生の著書を購入してしまいました。
他にも買った方がいましたら、次回の講義の際にでも感想を交換しましょう。
また、ちょうど本日、「財務3表実践活用法」という先生の新たな著書が発売になったようですので、こちらもいずれ読みたいと思います。
さて、本日はメインテーマは國貞先生の話ではなく、ネット通販の話です。
私は「honto」というオンライン書店で國貞先生の本を注文しました。私が注文処理をしたのは夜の23時をまわったところで、國貞先生の本以外にも数冊の本を同時に発注したのですが、なんと翌日には注文した本がすべて届いておりました(妻が受け取りをしておいてくれました)。
夜の23時注文ですから、おそらくは翌朝に受注処理がされたはずです。ということは、このオンライン書店は当日に受注したものを当日に届けることができた、ということになります。
これは私には非常に衝撃的でした。オンラインストアがこのスピードで納品できるということは、リアル店舗を構えて展開する小売店のアドバンテージがまたひとつ消えてしまうことになります。
最近は、リアル店舗で欲しい商品の現物を確認した後、実際の購入は価格比較サイトをチェックした上で最安値を提示しているオンラインストアで行うといったような消費行動が増えている、という話を聞きます。特に値の張る家電などで顕著な傾向があるようです。確かに、家電であればリアル店舗でもオンラインストアでも同じ商品ならば品質は同等です。価格はむしろオンラインストアのほうが安いことも多いと思います。ただ納期は、これまではリアル店舗に一日の長がありました。リアル店舗では(在庫があれば)その場で持って帰れるものの、オンラインストアでは配送の関係で翌日以降のお届けになることが通常でした。しかし、この納期ですらオンラインストアに差別化できない時期が来ているようです。
今のところは、まだ当日配送が可能なオンラインストアは少数派なのではないかと思います。しかし、先日、クロネコヤマトが2016年をめどに、東京・大阪・名古屋の大都市間で当日配送を行う新サービスを始めると発表しました。ヤマトホールディングスは競合他社との差別化のために新サービスを始めるのだと思いますが、資本力のある競合他社は追随すると思います。いずれ、当日配送はオンラインストアであっても特別なことではない時代が来るのでしょう。
↓読売オンラインの該当記事はこちら
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20121105-OYT1T01193.htm
オンラインストアが扱う商品に関しても、かつては書籍・CDや家電といったものが代表的なものでしたが、今は何でも取り扱っている感があります。
思えば、私は一昨年の夏ごろまではアパレルの小売業に勤務していたのですが、当時は「アパレルはオンラインではうまくいかない」と社内で議論していた記憶があります。アパレルは試着が決定的に重要だ、PCの画面から見る色味や質感と現物として見る色味や質感は違う、などと理由をつけていましたが、その後のZOZOTOWNの成功などを見ると、もはやオンライン通販で扱えないものなどないのではないか、という気になってきます。最近は不動産ですら現地に行かずしてオンラインで購入することができるらしいですからね。一説には不動産バブルの片棒を担ぎかねないという懸念もあるとか。
このような社会環境の大変化をみると、流通業も大変革の時期を迎えているのだろうと思います。
リアル店舗を構える小売業としては、オンラインストアは強力な競争相手となります(もちろん「クリック&モルタル」で、リアル店舗とオンラインストアの両方を展開している小売業も多いと思いますが)。品質・価格・納期で差別化を図れない以上は、それ以外の価値を顧客に提供するしかありません。今時点でざっと考えられるのは、アフターフォローの充実、ユーザー会の組織、ライフスタイル提案までを視野に入れたコーディネート販売、などといったところでしょうか。
環境は厳しくなっているものの、まだできることはたくさんあります。リアル店舗を展開する小売業はオンラインストアに負けず、独自性を発揮しながら力強く商売をしていただきたいと思います。
山岡達也
※究極のドラッカーを購入いただき有難うございました。