「稼プロ!」事務の小林 隆です。
本日は、よく考えると当たり前だが、企業の社会性や価値創造が大切といった考え方が好みである私のの思考のくせ、思い込みから以前は見過ごすことの多かった、不都合な真実について、3つほど、コメントをすることにしたい。
● 不都合な真実1
「中小企業は独自のイノベーションより模倣が成長への近道!」
私は、中小企業の成功には、独自の技術やこだわりが、かかせないと信じていた。
それらが、ニッチな領域で高い付加価値を生み、小さくても光る中小企業を生むと考えてきた。
しかし、大方の中小企業にとっての成功の近道は、イノベーションより模倣することである。まずは、先行している同業の成功事例をベンチマークし、模倣することが、独自に考えた技術やノウハウよりも成功の確率が高く、リスクが少ない。
すでに実績のある方法だから、よくよく考えれば当たりまえである。
ベンチャー企業のように、本当の意味で独自に新しい価値を生み出すことは、重要な事であるし、どこかで追及をしたいところであるが、リスクを冒すことができる、資金力と時間があって初めて新しい取り組みに挑戦できる。大方の中小企業にとっては模倣が成功への近みちであると言える。
●不都合な真実2
「中小企業の規模の拡大には、ニッチな領域で高付加価値を源泉に高単価の商品・サービスを提供するより、大衆化された日常的な商品・サービスを提供する方が、
規模拡大には向いている!」
私は、中小企業はニッチな領域で専門性を高め高い付加価値を得るべきだと考えてきた。もちろん、中小企業が生き残るための一つの方法であることは確かである。
しかし、こと規模拡大を志向する中小企業、特に店舗型のB to C 企業にとっては、
ニッチな領域での高付加価値・高単価の戦略の戦略は向かない。
なぜなら、店舗規模の拡大には、規模拡大を支えるだけの顧客の数が必要だからである。したがって、1店舗目は高付加価値・高単価の戦略で成功した場合でも、
事業規模の拡大を考える場合は、セカンドブランドを作るなどをして大衆化を図り、
対象顧客の範囲の拡大を図る必要がある。
このあたりの視点がコンサルティングの現場で活かされるかどうかは、中小企業のトップがどの程度まで企業規模を拡大したいと考えているかによる。しかし、コンサルタントの私自身が、小企業が中企業となり、大企業に成長して行く際の原理を、長い間 理解していなかった。
●不都合な真実3
「ビジネスは、投資とその回収の繰り返しであり、それにより自社の財産を増やしてゆくゲームである!」
企業は社会の公器であり、社会的な価値を生み出すことによって社会に活かされている存在であると、考えている私にとって、この考え方はあまりにドラスティックであり、一瞬の戸惑いを覚える。
投資先として、社会的に価値があるもに投資することによりその対価として収益を得て、投資を回収する、または従業員を大切にし、雇用を維持し厚遇するというのが
美しい姿である。しかし、事業の収益性や投資回収の時間を考えた場合、企業の社会性ばかりを考えると、短期的には収益性を悪化させる場合がある。
それは至極当然のことであるが、社会性に偏った考えにこだわりすぎたり、中途半端に社会性を志向すると、いつまでたっても、企業の収益が改善されない。
これまで上げてきた、3つの例は、あくまで企業の成長における一つの側面や成長過程における一つの局面を見たものである。
それらは、すべて考え方のバランスの問題であるともいえる。
しかしながら、ついつい企業の社会性や存在価値などの理念に目が行きがちな私にとっては、意識をしておきたい大切な原理である。
同志のコンサルタントの皆様は、いかがだろうか?