21期の吉岡です。
先日、以前専門家派遣でお邪魔したある企業から、事業再構築補助金の申請を手伝ってほしいとご連絡をいただきました。内容をお伺いしたところ、本業が芳しくないのでシイタケ栽培を始めたいということでしたが、何故シイタケ栽培??とお訪ねしたところ、“儲かるらしい”というシンプルな一言が返ってきました。
農業とは縁もゆかりもない企業が、知人から聞きかじった情報をもとにシイタケ投資業者(そういうのがいるそうです)から勧められるままに3,000万円近くを投資しようというのです。
よく話を聞いてみると、その業者はもともとハウスメーカーで、今では、ハウスと機材だけではなくシイタケ栽培のノウハウを抱き合わせで販売しているようです。それはそれでよくできたビジネスモデルだと思うのですが、やっかいなことには、彼らは営業の際に“事業再構築補助金が使える”と宣伝しているようです。
ご依頼元の企業にはこれといった事業計画もなく、お手元には業者が作った雑な収益計画だけがありました。どう考えてもうまくいくはずがない。
さすがにこれは無理ですよ!と言っても、納得してはいただけない。
顧問というわけでもないので、あまり首を深く突っ込むわけにもいかないし、ましてや、頭ごなしにこんな無謀なことはやめときましょうとも言えない。仕方がないので、業者にこれを聞いてください。あれも聞いてください。時間をかけて、業者の計画がいかにずさんかということをわかってもらい、3日後にようやくシイタケ栽培をあきらめてもらうことができました。
3日間かけて説得して収入はゼロ。でも、これも診断士の大事な仕事だと思います。
その事業者様も具体的な事業計画はなかったので、販路や設備など検討事項を提示して、考え直してもらいました。甘い言葉で誘う人たちがいるのは現実としてあって、そこを説得しないといけないのに複雑な気分になりました。