引き続き、来年1月の「診断実習」へ向けて「中小企業診断士が中小・零細企業の社長と向きあう際に必要な事」を中心に、ブログを記載して行きたいと思います。
第3回目の今回は、「ヒアリング」について記載します。ヒアリングは、その良し悪しによって、その後の改善指導や報告書が大きく影響する、重要なイベントです。
「稼げる!プロコン育成塾」では、公的機関の相談員等の窓口相談業務を円滑に行うため、また日々接する中小企業経営者のお話を問題解決に向け、効果的・効率的に伺うため、「聴く」スキルを磨くためのカリキュラムを用意しています。
「聴く」に関する専門的な知識とスキルの習得は、その講義にゆずるものとして、本稿では、診断実務における適切なアドバイスの実行と診断報告の作成に必要なヒアリングのポイントをご紹介いたします。
1.事前準備
当然のことですが、ヒアリングを行うにときは、できる限り、事前の準備を行います。
相談企業の情報と業界の情報は、できる限り事前に入手しておいてください。
特に、財務諸表を入手できる場合は、事前に財務分析して、企業のどこに問題がありそうか、係数をTKCの経営指標などと比較し、大きく乖離をしいる部分を把握しておいてください。
同じ業種でも、企業によって、科目の計上の仕方が異なる場合があります。例えば運賃を売上原価に入れている場合と販売費及び一般管理費に入れているいる場合などです。
数字は、活動の結果ですから、必ず結果の裏に事業戦略や業務の進め方の問題点があります。私は、数値の分析から、企業の活動状態の仮説を立てて、それをヒアリングで検証するプロセスをお勧めします。
また、当該企業の業界情報は、事前に入手しておいてください。業種別貸出審査辞典で、業界の基本事項を、ホームページや書籍で最近のトレンドを把握することをお勧めします。また、業界特有の、管理手法や経営分析のポイントがある場合も事前に勉強をしておいてください。
2.ヒアリング当日
(1) 服装
相手の業種・業態や季節にもよりますが、基本的にはネクタイを着用するビジネススタイルで臨んでください。私は、相手によってかなり服装他、みだしなみを変えています。例えばそこに初めて会う銀行の担当者などが、同席する場合などは、スーツを着て、髭もきちんと剃って行きます。(笑)
(2) ファースト・コンタクト
挨拶は、きちんと行ってください。 相手がどんな方であれ、現在どんなに弱い立場にある経営者であっても敬意をもって接するが基本中の基本です。 先生としてのコンサルタントより、大企業で言えば、社長をサポートするスタッフ部門の社員くらいのつもりで、接すると丁度よいかもしれません。以前から言っている、寄り添う姿勢を忘れないでください。
(3) 接し方
① 言葉遣い
言葉遣いは、丁寧が基本で。きちんとした、正しい言葉遣いをしてください。慣れてくれば、やや砕けた言葉遣いや冗談を言うこともありますが、最初のヒアリングでは、礼儀正しい言葉づかいをしておくことが無難です。(へりくだりすぎも、おかしな印象や頼りない印象を与えます。)
② 信頼関係の醸成
信頼関係は、簡単につくれるものではありませんが、相手にリラックスして、話しやすい環境を作ってい下さい。まずは、良いところや第一印象の感想を言うことがありますが、それも取って付けたようだと、ちょっとビミョーな雰囲気が流れます。
③ 声のトーン
声のトーンは、明るいトーンとなるよう気を付けましょう。仮に、相手が仮に落ち込んでいようとも、気持ちに配慮はすれで、合わせて暗くなるのは厳禁です。コンサルタントが、下がった顔を上げさせ、前向きに事業に取り組みをさせつのですから、「いっしょになんとかして行きましょう。」という、前向きな姿勢を、声のトーンで表現してください。 まれに、緊張のあまりか、虚勢をはっているのか、語気が非常に強い方がいらっしゃいます。ご自分の、キャラクターを十分把握したうえで、相手にどう映るか配慮しながら声のトーンを選んでください。
④ 表現
ヒアリングを受ける社長の多くは、経営を実務的にはきりもりしていても、経営に関する専門用語はシロウトです。誰にでもわかる平易な表現を心掛けましょう。
中にはきちんと経営の勉強をされた社長もいらっしゃいますが、そうした方にも注意が必要です。それは同じ専門用語でも自分とは異なった意味で使っていることがあるためです。いずれも、相手の反応をみながら、言葉は選んで使うようにしましょう。
(5) ヒアリング内容
① 大から小へ
質問は、大きな質問から、細部の質問に移っていってください。 準備段階で、ヒアリングの需要ポイントを絞っていたとしても、まずは全体的に各項目をまんべんなくヒアリングしましょう。最初から細部に入りますと、思わぬ抜け落ちが生じる場合があります。
② 仮説と検証
あらかじめ用意していた仮説や、話を聞きながら「こうだろう」と思っていいたことが、「実はそうではないのではないか」と、自分の仮説の誤りを疑わざるを得ない状況になることがあります。
その場合は、臨機応変に切り替えて、仮説を修正、事実を確認できる質問に切り替えましょう。
(7) 受け止め
① 会話
ヒアリングの時点では、話を否定しないことが基本です。「そうですね。」と同意の意思表示をしたり、「それはたいへんですね。」など共感の意を示すし、できるだけ、経営者の話を引き出しましょう。
② 主観と客観
経営者の話は、自分の意見や思いと客観的事実がごちゃごちゃになっている時があります。問いただしたくなる時もありますが、語気が強くならないよう、やんわりと整理・確認をしてください。
③ 話の間
話を聞いていると、社長が応えられなくて、黙ってしまうことがあります。その際は、あえてこちらも話をしないで、社長の言葉待つようにしましょう。だまっていても、社長は一生懸命考えています。それは、社長自体が問題点や自分の考えを整理する大事な時間なのです。それを奪わないようにしましょう。私たちの役割は、最終的には社長に行動変容を起こしてもらうことです。他人に指摘をされるより、自分で気づく方が、人間は変わります。様々な知識や事例を持っている私たちは、ついつい話をしすぎてしまう傾向があります。注意しましょう。
(8)時間管理
多くの社長は、忙しい時間を割いてヒアリングに応じてくれています。全体の時間配分に配慮し、時間をオーバーしないようにしましょう。多くの社長は、話始めると多くを語り、時間をオーバーする傾向があります。ヒアリングのスケジュールは余裕をもって組む。事前に考えないと出てこないようなヒアリング内容は、事前にヒアリング内容をまとめて、投げておく、などの工夫をしましょう。
以上、おおまかにヒアリングについて記載しました。当たり前の内容が多いのですが、実際にやってみると意外とできていない方が多くいらっしゃいます。
多くの事項は、意識をすることで改善が図れますので、意識的に実行してみてください。
第3回目の今回は、「ヒアリング」について記載します。ヒアリングは、その良し悪しによって、その後の改善指導や報告書が大きく影響する、重要なイベントです。
「稼げる!プロコン育成塾」では、公的機関の相談員等の窓口相談業務を円滑に行うため、また日々接する中小企業経営者のお話を問題解決に向け、効果的・効率的に伺うため、「聴く」スキルを磨くためのカリキュラムを用意しています。
「聴く」に関する専門的な知識とスキルの習得は、その講義にゆずるものとして、本稿では、診断実務における適切なアドバイスの実行と診断報告の作成に必要なヒアリングのポイントをご紹介いたします。
1.事前準備
当然のことですが、ヒアリングを行うにときは、できる限り、事前の準備を行います。
相談企業の情報と業界の情報は、できる限り事前に入手しておいてください。
特に、財務諸表を入手できる場合は、事前に財務分析して、企業のどこに問題がありそうか、係数をTKCの経営指標などと比較し、大きく乖離をしいる部分を把握しておいてください。
同じ業種でも、企業によって、科目の計上の仕方が異なる場合があります。例えば運賃を売上原価に入れている場合と販売費及び一般管理費に入れているいる場合などです。
数字は、活動の結果ですから、必ず結果の裏に事業戦略や業務の進め方の問題点があります。私は、数値の分析から、企業の活動状態の仮説を立てて、それをヒアリングで検証するプロセスをお勧めします。
また、当該企業の業界情報は、事前に入手しておいてください。業種別貸出審査辞典で、業界の基本事項を、ホームページや書籍で最近のトレンドを把握することをお勧めします。また、業界特有の、管理手法や経営分析のポイントがある場合も事前に勉強をしておいてください。
2.ヒアリング当日
(1) 服装
相手の業種・業態や季節にもよりますが、基本的にはネクタイを着用するビジネススタイルで臨んでください。私は、相手によってかなり服装他、みだしなみを変えています。例えばそこに初めて会う銀行の担当者などが、同席する場合などは、スーツを着て、髭もきちんと剃って行きます。(笑)
(2) ファースト・コンタクト
挨拶は、きちんと行ってください。 相手がどんな方であれ、現在どんなに弱い立場にある経営者であっても敬意をもって接するが基本中の基本です。 先生としてのコンサルタントより、大企業で言えば、社長をサポートするスタッフ部門の社員くらいのつもりで、接すると丁度よいかもしれません。以前から言っている、寄り添う姿勢を忘れないでください。
(3) 接し方
① 言葉遣い
言葉遣いは、丁寧が基本で。きちんとした、正しい言葉遣いをしてください。慣れてくれば、やや砕けた言葉遣いや冗談を言うこともありますが、最初のヒアリングでは、礼儀正しい言葉づかいをしておくことが無難です。(へりくだりすぎも、おかしな印象や頼りない印象を与えます。)
② 信頼関係の醸成
信頼関係は、簡単につくれるものではありませんが、相手にリラックスして、話しやすい環境を作ってい下さい。まずは、良いところや第一印象の感想を言うことがありますが、それも取って付けたようだと、ちょっとビミョーな雰囲気が流れます。
③ 声のトーン
声のトーンは、明るいトーンとなるよう気を付けましょう。仮に、相手が仮に落ち込んでいようとも、気持ちに配慮はすれで、合わせて暗くなるのは厳禁です。コンサルタントが、下がった顔を上げさせ、前向きに事業に取り組みをさせつのですから、「いっしょになんとかして行きましょう。」という、前向きな姿勢を、声のトーンで表現してください。 まれに、緊張のあまりか、虚勢をはっているのか、語気が非常に強い方がいらっしゃいます。ご自分の、キャラクターを十分把握したうえで、相手にどう映るか配慮しながら声のトーンを選んでください。
④ 表現
ヒアリングを受ける社長の多くは、経営を実務的にはきりもりしていても、経営に関する専門用語はシロウトです。誰にでもわかる平易な表現を心掛けましょう。
中にはきちんと経営の勉強をされた社長もいらっしゃいますが、そうした方にも注意が必要です。それは同じ専門用語でも自分とは異なった意味で使っていることがあるためです。いずれも、相手の反応をみながら、言葉は選んで使うようにしましょう。
(5) ヒアリング内容
① 大から小へ
質問は、大きな質問から、細部の質問に移っていってください。 準備段階で、ヒアリングの需要ポイントを絞っていたとしても、まずは全体的に各項目をまんべんなくヒアリングしましょう。最初から細部に入りますと、思わぬ抜け落ちが生じる場合があります。
② 仮説と検証
あらかじめ用意していた仮説や、話を聞きながら「こうだろう」と思っていいたことが、「実はそうではないのではないか」と、自分の仮説の誤りを疑わざるを得ない状況になることがあります。
その場合は、臨機応変に切り替えて、仮説を修正、事実を確認できる質問に切り替えましょう。
(7) 受け止め
① 会話
ヒアリングの時点では、話を否定しないことが基本です。「そうですね。」と同意の意思表示をしたり、「それはたいへんですね。」など共感の意を示すし、できるだけ、経営者の話を引き出しましょう。
② 主観と客観
経営者の話は、自分の意見や思いと客観的事実がごちゃごちゃになっている時があります。問いただしたくなる時もありますが、語気が強くならないよう、やんわりと整理・確認をしてください。
③ 話の間
話を聞いていると、社長が応えられなくて、黙ってしまうことがあります。その際は、あえてこちらも話をしないで、社長の言葉待つようにしましょう。だまっていても、社長は一生懸命考えています。それは、社長自体が問題点や自分の考えを整理する大事な時間なのです。それを奪わないようにしましょう。私たちの役割は、最終的には社長に行動変容を起こしてもらうことです。他人に指摘をされるより、自分で気づく方が、人間は変わります。様々な知識や事例を持っている私たちは、ついつい話をしすぎてしまう傾向があります。注意しましょう。
(8)時間管理
多くの社長は、忙しい時間を割いてヒアリングに応じてくれています。全体の時間配分に配慮し、時間をオーバーしないようにしましょう。多くの社長は、話始めると多くを語り、時間をオーバーする傾向があります。ヒアリングのスケジュールは余裕をもって組む。事前に考えないと出てこないようなヒアリング内容は、事前にヒアリング内容をまとめて、投げておく、などの工夫をしましょう。
以上、おおまかにヒアリングについて記載しました。当たり前の内容が多いのですが、実際にやってみると意外とできていない方が多くいらっしゃいます。
多くの事項は、意識をすることで改善が図れますので、意識的に実行してみてください。