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母恵夢(ポエム)

黒猫『のあ』の脱走

初めて小雪がちらついた、去年12月の寒い日
外がすっかり暗くなった午後7時ごろの事だった。 

予想もしなかった『のあ』の脱走
勝手口から私が外に出た瞬間、スキをついて~外へと猛ダッシュ!

私も大声で名前を呼びながら走ったけど 見失しなってしまった。
心配で、心配で あちこち探したが 外は暗くて
懐中電灯を照らしても黒猫故に全く見えない状態に、

猫に無関心だと思っていた夫も一緒に探してくれた!
時間ばかりが経ち、12時を過ぎた頃
もう帰って来ないかも~と私が言うと

絶対 帰ってくるよ!と夫
これ以上は、寒いから探せないので
明日の朝、明るくなるのを待とうと夫は言った。
しかたなく夫に従ったが…
どうしても諦めきれず 眠る事すらも出来なかった。
日付もが変わった午前一時半
何かしらの外の気配を感じ、勝手口の方に出た。
すると
1メートルくらい先に、こちらに向かう『のあ』が見えた。
『のあちゃん』、と声をかけると私の方に寄って来た!
 眼は暗闇に輝きイキイキとし 笑っているようにも見えた。
体を左右に振るように歩き、目的が叶ったと言わんばかりの態度
私が口にしたのは 「雪、きれいだった?!」
逞しくなった『のあ』にちょっとだけ感激はしたが…
家の中に入るように誘導してから

しっかり鍵をかけた後は、
大きめのタオルを濡れた体にすっぽり被せ
どれだけ心配したか分らんのん??と大声
ここから先は 手あらに体中をゴシゴシ拭き

ブラシを容赦なくかけて
あんたもスッキリしたのなら、私もスッキリさせてもらうよ!
何とも大人げない話です…。
夫にも帰ってきたことを報告し、この状況を話したら大笑いでした。
なんと6時間半も帰って来なかった『のあ』
今までの脱走は、昼間で2~3分程度
 私でも楽々捕まえられました。
カラスが恐くて車の下にもぐるか、お隣りの空き地に入る込むかの程度で
私に追いかけられると自ら観念していました。
今はもう2歳半、身長が伸びドアも引き戸も、立ち上がって開けます。
恐るべし『のあ』 後期高齢者に保障された明日はないのよ!

私が飼えなくなった時は 娘が引き取ってくれる約束だけど、
元気すぎる黒猫君『のあ』と娘の家のおとなしい先輩黒猫君『ぽんず』との
合性は 大丈夫だろうかと今から心配。
娘の猫は、全身真っ黒。
『のあ』はお腹に一部白い毛がある。
娘に「噛み癖は、ちょっと余計だね」と言われ、思わず私が言ったのは
「うちの子は、腹黒くありません!」でした。
娘も大笑いでしたが 私的には本気で対抗心を燃やしていました!
年甲斐もなく、それとお願いする身なのに~!


わたしは後期高齢者。明日が75歳の誕生日!
一日でも長く、『のあ』を守りたい。
いや本当は私を守ってくれているのは『のあ』
ションボリして考え事してると横に来て
顔を覗き込んで舐めて癒してくれる♡








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