J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

Jリーグをつかおう! Jリーグ社会連携(シャレン)4

2019-05-08 00:01:36 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 ネットを観ていたら、米田理事の記事がありました。米田理事は当ブログでは、ぜひ次のチェアマンになって欲しい人材。今回の記事を読んで、米田理事の成り立ちから価値観までよくわかりました。ちょっと長いですが、お読みください。付加価値の高い内容です。
   
【「Jリーグを使い倒せ!」若き女性理事が熱狂を生み出す】
「(Jクラブは)選手や関係者が地域貢献の活動に参加するホームタウン活動を展開している。その数は、年間1万8000回超。Jリーグの『豊かなスポーツ文化の振興および国民の心身の健全な発達への寄与』という理念を体現するものだ。ただ、その活動は、広く一般の人にまで周知されているとは言えない。クラブには、継続していくことへの限界を訴える声もあった。
 そこで米田は、ホームタウン活動を、地域の人たちと一緒に取り組む『共創モデル』へと移行することを打ち出した。それはJリーグにとっての経営戦略でもある。人口減少を迎えるこの時代、『地域が持続可能であることはクラブの安定的継続にも繋がる』からだと話す。
『サッカー観戦をしたい人は人口の1〜2%が限界値と言われていますが、地域を良くしたい人はもっといる。社会の価値観がソーシャルグッドに寄っていくなかで、地域という接点から、徐々にサッカーやチームを好きになってもらうという流れがあってもいいのではないかと思ったんです』
 米田はもともと公認会計士で、さらに組織開発に携わってきたキャリアをJリーグの村井満チェアマンに買われて、昨年3月現職に就いた。だが米田は、一旦はオファーを固辞したという。村井が望む組織の健全化と改革のスピードアップを進めるためには、憎まれ役を担わなければならない。しかも若い女性で、サッカーに関わりのない人間とくれば、反発を招くのは必至だ─そんな葛藤があった。」
「そんな過酷な仕事になるとわかっていながら、覚悟を決めたのはなぜか。
『地域を豊かにするJリーグのポテンシャルに可能性を感じたから。それが私の人生のミッションとも繋がると思いました』」
「どうしたら社会のシステムを良くできるか─原点の問いはより広範なものとなっていった。そして、『当事者意識のなさ』が社会課題の解決を阻む要因だ、という思いが、反省も踏まえて強まった。そんな折、米田の運命も、Jリーグという思いがけない方向へと転がる。」
「『自分の人生を語る機会が3日後にあるんだけど、それを文字で残しておきたい。誰かライターを紹介してくれないかな?』
 プロスポーツの経営人材の養成や輩出をめざす組織での講演だという。米田が『私が書きましょうか』と言うと話が決まった。迎えた当日。メディアを入れない場で、村井はそれまで話してこなかったことも『すべてを開示する』と宣言し、2時間弱の講演が始まった。米田はその話をノートパソコンに打ち込みながら、幾度も涙がこみ上げてきた。全身全霊を傾けて参加者に語りかけ、そのなかから次の経営者を出すという村井の熱量が伝わってきたからだ。帰宅後も興奮がさめず眠れぬ夜を過ごした米田は、村井の講演を一気に18枚のレポートにまとめた。最後に自身の感想も記した。
『私は、組織というのは社会にとっての公器であり、人にとっての成長の場であると思っています。そんな理想の組織を、命を削って創り上げてきた村井さんの生き様に触れられたことに感謝し、メッセージを受け取った者の1人として、私も同じ時代を生きる社会の乗組員として頑張ります』
 翌朝、米田はそのレポートを村井にメールした。今度は村井が米田の熱量に驚く番だった。『お前、仕事早いな!』。さらに『おれが話した以上にしっかり言葉にしてくれた』と喜んだ。奇縁は重なる。翌月、知惠屋にJリーグのクラブから、経営理念の浸透について依頼が舞い込んだのだ。村井から刺激を受けたばかりの米田は張り切って、100枚を超える紙芝居風の提案書をつくり上げた。そして、軽い気持ちで、村井に見せた。
『なんじゃこりゃ!』と興奮した村井は、それをJリーグの経営陣に見せてまわった。そして後日、『ここに書いてあることをリーグのほうでやってくれないか』とJリーグの風土改革を打診してきた。それが3月末のこと。新年度から、米田はJリーグの社外フェローとなった。フェローに就任してすぐ、米田はJリーグのデューデリジェンス(企業価値をはかる調査)を行い、組織のマネジメントがうまく機能していないことを痛感した。意思決定の軸が明確ではなく、道筋が見えにくい箇条書きのような経営施策。目標設定が曖昧で、達成度は検証されにくく、人材育成の概念も乏しいように映った。
 米田は18人の幹部を集めて、マネジメント力の向上や、経営上の論点を共有する会議を毎週開き、月ごとに総括を配信した。そこでたびたび指摘したのが、かねてから社会全体を覆う課題だと思っていた『当事者意識の低さ』だった。
『当時は幹部でも、「チェアマンが」「上が」「してくれない」という言い方をしていたんです。不満があるなら闘えばいいし、ちゃんとコミットしていれば人のせいにはしない。自分が主体者、当事者であるという自覚をもっと持とうと、繰り返し発信しました』
主体性のなさや個で考える力の弱さは、Jリーグの組織だけでなく、日本サッカーの弱点でもある。」
「1年が経つ頃、米田はチェアマンの村井から『意思決定の中に入って軸を明示してほしい』と、理事の話を持ちかけられた。理事の任期は2年。前半が終わったいま、米田は『共通の地図』である経営ビジョンの策定や、事業・経営基盤を強化するための仕組みづくりは大枠で片付いたと話す。各人各様だった伝票処理や決裁基準をルール化するなど次々メスを入れる米田に、自由を奪われたと感じたり、『何も知らない若い者が』と不快感を示したりと反発が出たのは当然とも言える。米田自身、『血だらけになっている』と苦笑する。それでも怯まなかったのは、監査法人で働いていた時代と同じ思いがあるからだ。
『皆を信じているんです。できるはず、と期待しているから。愛がないとぶつかれないですよ』
 相手への『愛』があるから『クレイジーなほどの本気』が生まれる。それは人でも組織でも、地域活動でも同じこと。そう考える米田は、理事として担当する社会連携のスローガンとして、“LOVE&CRAZY”と掲げた。
 任期の後半では、社会連携のプロジェクトを軌道に乗せ、仕組みの運用を本格化するという。リーグ内の立て直しという水面下の作業から、クラブを回って対話し、ビジョンを接続するという段階に入る。
「効果が出るのはおそらく中長期』と米田は語る。彼女の仕事の意義や成果が可視化されていくのは、これからだ。」
「“LOVE&CRAZY”は企業にも伝播し、コミュニティパートナーシップ協定(川崎フロンターレとAmazon)や、共同イベント開催(FC町田ゼルビアと小田急)といった新たな動きが起こりはじめた。」
「『Jリーグは当事者を生みだしていく装置になれるし、最終的にこの社会にオーナーシップ(当事者意識)の価値観を根付かせたいというのが、私の人生の大事なミッション。クラブをハブにして、自分にもできることがあると挑戦する人が増えて、そこから誰かの役に立っている感覚を持ち、地域や人との関係性を築いていく。Jを通じて、そんな共生社会ができていくといいなと思っています』」
引用:Forbes JAPAN

 長い記事になりました。今日を持った読者の方は、ぜひ元文章をお読みください。いつもは読みやすいようにカットしていって、ちょうど良い長さにまとめるのですが、今回はカットしにくい誠に内容の良いコラムでした。Jリーグやサッカーをテーマにしたもので、これほど優れたものも珍しい。米田理事が村井チェアマンにヘッドハントされたと聞いた時、どういう馴れ初めなのか不思議でしたが、前勤務先の知惠屋の中村代表がリクルート時代に村井チェアマンのかつての部下で、その縁で3人で会った時があったと。なるほど、そういう縁だったのかと。
 当ブログでは開設当初から「草の根」「地域に根を張る」などの表現を使ってきましたが、米田理事が口にする「共創」や「社会連携」がまさに同義語だったので、ものすごい共感を覚えました。それは、かつての傍士元理事が唱えた「Jリーグ百年構想」の考え方とリンクしているので、米田理事が傍士さんの再来にも思えます。そんな人材を抜擢した村井チェアマンも改めて尊敬します。

 その「100枚を超える紙芝居風の経営理念の提案書」を読んでみたいものです。いつかオープンにして欲しいです。「公器」という言葉、昔よく使いました。今は「公共財」という言葉になっていますが。米田理事は現在血だらけになりながら組織改革に取り組まれているのですね。クレイジーなほどの本気か、当ブログも時に論調が辛口になる事がありますが、まさにそうかもと。米田理事は今は、クラブを回って対話し、ビジョンを接続するという段階に入っているのかな。
 本当に米田理事にはチェアマンになって欲しいです。何でしたら村井さんの次でも。MLSかぶれの人材(前にもいたような)が就くよりはよっぽどいいかなと。いくらいい数字が出ても、個人オーナーを礼賛するアメリカ方式はダメでしょう。
 という事で米田理事、今後も頑張ってください。応援しています。悔やまれるのが、地元J2岡山のホーム開幕戦。米田理事がCスタにやってきたのにすれ違い。ぜひ早く実物を拝みたいです。うちのブログも読みに来てもらっていると勝手に思い込んで、今後も精進していきたいと思います。
シャレン(Jリーグの社会連携)関連③:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190121
    〃            ②:
https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190107
    〃            ①:
https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20180521

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする