毎日絵日記【但し、飲酒日はこの限りではない】

台風の日曜日のはなし

台風が忍び寄っていた先の日曜日。

勤務先の仕事が終わらず
やむを得ず
全館休業中の会社ビルを訪ねました。

ビルの玄関はカードキーをかざして開きます。



台風の日曜日。
8階建てのビルには
恐らく誰もおらず私だけ。


無事に仕事を終えて



さあ、帰ろう。

と1階の正面玄関のカギにカードをかざしても
エラーが出て扉が開きません。



既に日没も過ぎた午後6時。
誰もいない1階ロビーは薄暗く



何度も何度も
力加減を調整しながら
カードをかざすも
相変わらずエラーがでて
扉は開きません。



壁に貼ってあった
警備会社の電話番号を見つけ

電話をすると
地域の担当者から電話を折り返すので
少々お待ちください、とのこと。



開かずの自動ドアの向こうには
傘をさして行きかう人々がいます。

こんなそばにいるのに
誰も気づかない。

そりゃそうだ。

休業中のオフィスビルの
自動ドアの向こう側の暗闇に
泣きぬれた中年女が
こちらを凝視しているなんて
誰も気付かないし
気付かない方が良いに決まってる。



待っても待っても
かかってこない折り返し電話。

私はここで夜を明かすしかないのか。

なんで会社に来ちゃったんだろう。
私のバカ、バカ、バカヤロー。



と、そこに
待ちに待った折り返し電話が!








裏口のドアノブに
普通にカギがありませんか?



ある!!
あります!!!



出るときは

普通にカギをひねって出るそうで。








カサもいらないから
全身で台風を浴びちゃいたいくらいの
なんという解放感!!
台風よ、私の涙をぬぐっておくれ。



休日の会社のロビーで
泣きながら右往左往していたことは
ここだけの秘密でお願いします。
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