表紙 “笹を立てる”
【表紙の言葉】
表紙には初日の出を背景に
お正月飾りで賑やかな漁船の絵を描きました。
お正月には船の舳先に豊漁旗を掲げる地域が多いようです。
一方で、この光景はお正月に限らず
新船廻航などの祝いごとや
航海の無事を祈る出漁時にも見られます。
いつだって船には風をまとった旗がよく似合います。
船の舳先に高々と旗を掲げるためにも
漁師さんたちは「笹を立てる」といって
先端に葉枝のついた竹竿を立てます。
「笹を立てる」といいつつ、華奢な笹ではなく、
風が吹いても倒れない
たくましい竹を立てるわけですが、
竹には松竹梅の“竹”という“めでたい”意味があり、
曲がることなく真っ直ぐ伸びることも
縁起が良いとされています。
そういえば、船乗りが航路を選ぶときも
危険回避以外に余計な回り道をしないこともしかり、
自船の位置を確認するのにも
真っ直ぐ星を見上げ、
真っ直ぐ水平線を望むこともしかり、
更に、狭い船内生活では
竹を割ったような性格である方がうまくいくことも含め、
船には“竹”も、よく似合います。
このように、普段から何となく見ていることにも
意味があると知り、
絵にも少し深みが増したような気がして
自分で描いておきながら「へぇ~!」と嬉しくなってしまいました。
また、旗の中を飛んでいる“鶴”にも
“釣る”という豊漁祈願の意味があるそうで、
ただでさえ明るく楽しい光景に
こんな縁起の良い洒落が隠れているとは、
ますます「へぇ~!!!」と感動が止まりません。
いつも寝て食べて飲んで過ごすだけのお正月。
今年は「笹を立てる」光景の
ご利益を頂戴しに漁港へ出掛けようと決めました。
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