スーパーの魚屋さん時代の話です。
ナマモノを扱う職場は
どこも同じだと思いますが
とにかく寒くて
私は頬も手足もシモヤケでした。
そこで、
寒さ対策の一つとして
首にタオルを巻いて仕事をしていました。
首が暖かいだけでなく
ぬれた手もふけるし
ハナが出てもふけるし
なかなか名案でした。
しかしパートさんに
『そんなカッコウ、お客様に失礼よ。
そして、とても恥ずかしいわ！』と
怒られました。
小心者の新入社員の私は
カチンときたものの
パートさんが怖いので
タオルを首に巻くのをやめて
次の休みに銀座のデパートで
あったか下着をヤケ買いしました。
1番高級な“あったか下着”は
ウール100%で1万円しました。
しかし、
その後、スーパーの肌着売り場で買った
2枚で500円の“あったか下着”を
2枚重ねて着た方が暖かいことが判明し
1番高級な“あったか下着”は
タンスの奥に大切にしまわれたのでした。
最近、年末の大掃除で
この“あったか下着”が発掘されました。
私は着ない服や使わない物は
割と いさぎよく捨てるのですが
これだけは なんだか捨てられません。
