神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] OP. ローズダスト

2009-05-16 18:24:31 | SF
『OP. ローズダスト(上中下)』 福井晴敏 (文春文庫)




著者の福井晴敏がガンオタだけに、「茨の園で星の屑作戦」と言われていた本書のタイトルだが、内容もガンダム小説かと思うような雰囲気。逆シャアか、ガンダムW系(笑)

まぁ、そんなことはどうでもよくって、この小説の魅力は、主人公達のキャラクター性や、最後のお台場大爆破アクションでしょう。大作映画のノベライズっぽい。

ただ、SF読みとしてはどうしてもSFとしてこの小説を読んでしまう。

SFとして読んだときの読みどころは、新型爆弾TPexの特性を生かした攻防ですね。そして、未曾有の爆弾テロという極限状態が、現代日本という国の問題点を顕にするという構造。2004~2006年に書かれた近未来小説だが、今となってはリーマン危機に始まる世界的不況が反映されていないので、パラレルワールドものにも見える。

さて、その日本という国の問題点についてなわけですが……冒頭の問答がすべてなのかもしれません。

「国益」
「古い」
「主権」
「古いなあ」
「集団的自衛権」
「カビ生えてる」
「国家」
「再定義が必要」

戦後は終わったと何度も言われ、冷戦は終わり、対テロ戦争も大不況で尻すぼみな状況でありながら、政治の舞台で語られる国家観は古い言葉のオンパレード。そしてその古い言葉に対してすら無関心な大多数の国民。

この小説の中で生まれた新しい言葉は“ローズダスト”くらいで、しかもそれは爆弾テロの犯人が名乗る名前でしかない。そこがちょっと物足りないが、これを問題提起として受け止める読者はどの程度いるのだろうか?

実際、この小説で政治的に意味のある何かを読み取ることは難しい。しかし、「花火、夕立、蝉の声」といった単語が、心の中の夏休みの記憶を呼び覚まして切なくさせるように、心に政治的な何かを持っている人にとっては、それらを噴出させる呼び水になるような小説ではないだろうか。読み終わった後に政治を語りたくなる小説というか。

“新しい言葉”というキーワードにも、いろいろな想いが呼び覚まされる。新しい概念を“古い言葉”で語ってしまうと、その概念が途端に古い概念に取り込まれてしまう。ネトウヨ、ブサヨも、右翼、左翼といった古い言葉を押し付けることによって新しい概念を無効化する蔑称だ。

たとえば、リベラルなナショナリスト。親米であっても外圧には負けず、福祉に力を入れても影に特アが付いてこない。そんな政治姿勢をなんと呼ぶべきか?

経済界と官僚の言いなりに見える自民党でも、もれなく特アが付いてくる民主党でもない“新しい言葉”。今の日本国に必要なのは政権交代ではなく、政権再編か。しかし、再編される議員が今のままでは、単純にパワーゲームの組み換えにしかならないところが痛いな。

[SF] 黒衣の女王

2009-05-16 17:37:42 | SF
『黒衣の女王(グイン・サーガ126)』 栗本薫 (ハヤカワ文庫 JA)




黒衣の女王って誰かと思いきや、リンダちゃんでした。確かに、現パロ女王なんだけど、あんまりイメージないね。

今回、リンダに再プロポーズをしにパロへ押しかけてきたイシュトヴァーンだが、このくどき文句がさすが天性の女ったらし。これはあれだ、土下座ナンパ。紅の傭兵じゃなくて、レッド突撃隊(笑)

“なぞのディーン様”も、正体を知ったときのイシュトヴァーンを想像すると、そこはかとなく笑える。

しかし、そんなことより、ヤガはどうなった?
キリスト教がモチーフなのに弥勒教とか、秘密結社イルミナティだったりするのか?

そして、サイロンはどうなった!
リアルが豚フルエンザ騒動で大変なときに黒死病大流行とか、いったいどうなってんの?


[コンサ] J2第15節:コンサドーレ札幌 - FC岐阜

2009-05-16 16:57:38 | コンサ
J2第15節:コンサドーレ札幌 3-0 FC岐阜 @スカパー

やっと完勝キター!
昨日の宴会のせいで、二日酔い気味だったんだが、すっかり目が覚めた。
前節は3-1から追いつかれたので、今回も心配しながら見ていたが、結果的に完封勝利。すばらしい。


選手入場のエスコートキッズはちびドールズ。カワユス。

前半、石崎監督に全失点ビデオを見せられて意地でも完封を狙うDF陣は集中力を切らさず、チャレンジもカバーもバッチリ。しかし、攻撃でもボールを完全に支配するものの、フィニッシュに繋がらない。こういうときは逆にカウンター一発喰らうパターンが多いんだよなぁ、という嫌な予感の中、クライトンの遠目のフリーキックに西嶋が合わせて先制。すばらしい。

後半も開始早々から岡本が、通称ちん○ゾーンからのシュートで追加点。本当にあの位置では自信を持ってプレーしている。すばらしい。

そして、クライトンがドシドシとゴール前へドリブル。追いかけていった上里にパス。上里の右足ボレーはジャストミートしなかったものの、コロコロと転がってゴール。本人もちょっと苦笑い。

さらにクライトン→キリノのホットラインが何度も通るが、岐阜のDFが必死で守る。

コンサは終盤に失点が多い。岐阜は終盤に得点が多い。3-0になって岐阜は意気消沈と思いきや、片桐のフリーキックがポストを叩いたり、西川が抜け出してシュートをするなど、諦めずに最後までゴールを狙ってくる。コンサ守備陣は疲れが見え始め、チョウも吉弘も振り切られるいつものパターン。

それでもなんとか守りきっての完封勝利。すばらしい。

これで9試合負け無し。ドーム4連勝。すばらしい。すばらしい。

キリノを含めた攻撃の形、ダニルソンが絡んだ守備の形も確立されて、これから始まるカルナバル!
水戸、東京緑を連破し、一巡終わった時点での4位を狙いたい。あとは上位が落ちてくるのを待つしかないが……。

今後の修正点はやはりDF陣の層の厚さ。今日の岐阜みたいにDFが負傷退場したら、コンサもヤバイ。これは曽田の復帰を待つしかないか。そして、今日もノーゴールの藤田。右利きの右サイドアタッカーなので、岡本のようなプレーは期待できない。しかし、キリノが右サイドに流れたときに中へ入ったり、スピードを生かしたカウンターでキリノ並のシュートが撃てれば……。まぁ、ソレよりクロスの精度を何とかしなければならないんだけど。