『ガンパレードマーチ 2K 西海岸編 (1)-(3)』 榊涼介 (電撃ゲーム文庫)
『ガンパレードマーチ 2K 5121小隊帰還』 榊涼介 (電撃ゲーム文庫)
積読消化。
正月休みに何か軽いものでも読もうかと思って手をつけたのだが、なんだかんだで休み中にはほとんど進まず。まだ完結編も残ってるんだよね、これ。
今回のシリーズを一言で言えば、サンディエゴにおける少年兵による熊本戦の再現と、それを国家に叛逆してでも救いたい5121小隊という図式。
シアトル政府のサンディエゴ戦線における補助兵は、高校卒業後とはいえ年少の新兵を使い捨てるような、まさに熊本の学兵に匹敵するようなおぞましき制度。これを熊本の生き残りである彼らが見過ごせるはずが無い。
ところが、5121小隊はただの視察団に過ぎず、戦うことができないというジレンマ。
そこはなんのかんのと理由を付け、司令に善行が復帰。遠坂も財界から支援。5121フルメンバーで参戦となれば、もう幻獣にとってはまさに災禍というわけですな。
使い捨てにされる少年兵という構図に視点が集中しすぎて、幻獣側は何を思ってサンディエゴ戦線を維持してたのかが良くわからないのがもやっとする。これまで幻獣側の情勢も描いていただけに、ここはちょっと不満。
戦場の悲惨さを体現するための補助兵という設定と、スーパーヒーローになりすぎた5121小隊の狂気の描写はうまいこと持ってきたなと思うのだけれど、やっぱりマンネリ感はぬぐえず。
『帰還』での銀狼師団壊滅のくだりは、正直言って蛇足のような気もするのだが、これが次の最終シリーズに繋がる引きとなるのかどうか……。
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