『彷徨える艦隊 5 戦艦リレントレス』 ジャック・キャンベル (ハヤカワ文庫 SF)
彷徨える艦隊の5巻目。
アライアンス艦隊はシンディック艦隊を打ち破り、遂にアライアンス勢力圏の間近までたどり着く。しかし、その前に立ちふさがるのは、獅子身中の虫、艦隊内に巣食う反ギアリー派の破壊工作、そして、深刻な燃料不足だった。
さらに、異星人の影響力もどんどん強くなり、ハイパーネットゲートの意図的な崩壊による恐るべき被害も明らかになっていく。
一難去ってまた一難という感じで何度も災厄に降りかかられるギアリー艦隊だが、今回おもしろかったのは、艦隊内における裏ネットの存在だ。
確かに、艦隊内での通信ネットワークが存在し、それによって艦長会議や日々の情報交換が行われているのだろう。そして、当然のように、その裏(というか、影?)でこそこそと裏ネットを立ち上げる輩も出てくるし、それが暗黙の了解で存在を見逃されているというのもよくわかる。ある意味、ガス抜きのような効果を持った存在だったのだろう。しかし、これって、容易にクラッキングの対象になりそうなんだが、いいのだろうか。艦隊念とワークの電波は外部にもダダ漏れなんじゃないかと思うんだけど。
電波強度と距離の問題で、艦隊に接近しないと補足できないくらいのものなんですかね。艦隊から数時間の距離に、敵軍でも民間でも、いっぱいいそうなものだが、暗号で守られているから大丈夫?
実際の軍隊の場合はどうなんだろう。まぁ、The Internetだって、もとは軍事用なんだし、やっぱり、米軍裏ネットって存在するんだろうか。あってもおかしくなさそうだよなぁ。で、その裏ネット上で交換されている情報ってどんなものだろう。上巻の悪口とか、案外たわいのないものばかりだったりして。
さて、アライアンス勢力圏に帰ってきたギアリー大佐とアライアンス艦隊。第一部完まであと1冊。
アライアンス艦隊はシンディック艦隊を打ち破り、戦争を終結させることができるのか。異星人の正体と、その意図は何なのか。
ギアリーは子孫の妹に伝言を伝えることができるのか。そして、ギアリーを巡る三角関係の行方は。すべては第6巻へ続く。
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