人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

新日本フィル定期演奏会(第485回) ハロウィンとカラオケ etc.

2011-10-31 05:00:00 | 音楽

10月22日(土) 一週間前のことは忘れてしまいがちだが、この日は午前中から
お昼にかけて雨から曇りで寒かった。午後2時開演の新日本フィル定期へ、長い
傘を持ち、タートルネックにカーディガン、上下黒っぽい、業界人風の服装で出か
けた。

錦糸町のドトールでアメリカンを一杯。会場入りは1時40分となった。開演前のス
テージでは、写真のようにオーケストラが直前練習をしていた。

期待のインゴ・メッツマッハーだが、1階S~B席にはやや空席があった。オーケス
トラは16型の対向配置(1stヴァイオリン16~コントラバス8)。対向配置は、先日
のウィーン・フィルもそうだったが、このところ多いかしらん。

当日の指揮者インゴ・メッツマッハーは1957年生まれのドイツ人だが、元々はピ
アニストのようだ。先日聴いたM.ゲルネのピアノ伴奏をしたCD(「シューベルト歌
曲集」)もある。
ピアノから指揮へ進む人は多い。ピアノに満足できないのかな?
ピアノのうまい指揮者といえば、B.ワルター、フルトヴェングラー、カラヤン、バー
ンスタイン、サヴァリッシュなどかしらん。A.プレヴィン、アシュケナージ、エッシェ
ンバッハ、バレンボイムなどは正真正銘ピアニストから指揮者への転向組だ。


<プログラム>
1.J.S.バッハ(シェーンベルク編) 前奏曲とフーガ 「聖アン」BWV552
2.シェーンベルク 管弦楽のための変奏曲 op.31 (1928年作曲)
3.ブラームス 交響曲第1番 op.68 (1876年作曲)
指揮;インゴ・メッツマッハー コンサートマスター;崔(チェ)ムンス



1.J.S.バッハ(シェーンベルク編) 前奏曲とフーガ 「聖アン」BWV552
   (編曲は1928年)
編曲物だが、オリジナルは?--知る人ぞ知る(?)、それともみんな知ってる
(?)バッハのオルガン曲だ。調性は♭3つの変ホ長調。メッツマッハーは指揮棒
なし、180cm(?)の身体全体を使って指揮をした。前奏曲は堂々たる音楽だっ
た。

2.シェーンベルク 管弦楽のための変奏曲 op.31 (1928年作曲)
変奏曲には主題がある。この曲は主題と9つの変奏曲でできている。厳密にいえ
ば、導入部、主題と9つの変奏、終曲という構成だ。シェーンベルクが12音技法
で書いた初めてのオーケストラ曲だという。メッツマッハーは指揮棒なしで拍を振
っていく。即物的・唯物的な音が続いた。

そもそも12音技法なのでテーマも分かりにくいが、初めて聴いたので途中から第
何変奏なのか分からなくなった。おもしろいっちゃおもしろい。つまらないっちゃつ
まらない。シェーンベルクでは先日聴いた「ピアノ協奏曲」の方が、私にとっては
「許容範囲」かしらん。

私は(作曲した1928年は)ヒトラーが台頭してくる「不安の時代」を表していると勝
手に解釈しながら聴いていた。(--当時のドイツにとってヒトラーは期待の星だっ
たかもしれないが、シェーンベルクはユダヤ人[ユダヤ系]だった。)そんな曲だった
が、最後に12音すべて同時に鳴ると、メッツマッハーの熱演にブラボーが飛んだ。
メッツさんはぜひともこの曲をやりたかったのでしょう。盛んに胸に手をあておじぎ
をしていた。
なお、この曲の初演(1928年)は、フルトヴェングラー、ベルリン・フィルだ。


3.ブラームス 交響曲第1番 op.68 (1876年作曲)
休憩後、フルートの白尾さんを先頭にオケが入場。30秒ほど入念にチューニング。
いよいよ「ブラ1」だ。こちらも♭3つ(!)のハ短調。メッツマッハーはこれまた指揮
棒なし。序奏部は ♪ を3拍(3回)振ると後はテンポをティンパニにまかせ、全体
にはひたすらゆっくりレガートに両手を動かした。主部に入るや一転、膝も使って
沈み込んだり、音楽とともに激しく動いた。第2楽章も右手を大きく振り、各パート
へ指示を出す。デュナーミクに応じた大きな指揮だ。木管やホルンも好調。

第4楽章では有名な主部の第1主題では弦楽アンサンブルもよく鳴っていた。メ
ッツさんは、この楽章で盛んに下手(しもて)のコントラバスに向かってサインを送
る。最後の最後で勢い余って一瞬アインザッツが乱れたが、大きく盛り上がって
終わった。

全体のテンポは速からず遅からず、今日的にはオーソドックスだったのではない
かしらん。私には「きれいすぎるブラ1」ではない満足感があったが、会場はブラ
ボーの熱狂にはいたらなかった。「熱狂」がなかったら悪いとは言い切れない。ブ
ラームスの演奏にはいろいろなものがある。


先日のエッシェンバッハは拍中心の、どちらかといえば動かない指揮だったが、
メッツマッハーは各パートへの指示の多い、動き回る指揮だった。カーテンコール
では井手さんのホルン、白尾さんのフルート、古部さんのオーボエ・・・・・・と次々
に立たせられた。メッツマッハーがカーテンコールの出入りにコントラバスの竹田
さんと硬く握手をしているのが印象的だった。


帰りには雨もすっかり上がり、傘を電車に忘れないか?といって降りる駅を乗り
越さないか?心配しながら帰ってきた。




新日本フィルのプログラムにはいつも当日の出演者一覧のフォーメーション表が
付録として付いており、便利でありがたい。
「この<一覧図>をブログ等で二次利用される事を固くお断りします。」とも注が
付いており、掲載できないのが残念だ。


本番前のおさらい



錦糸町駅前より東京スカイツリー 上が霞んでいる (前回のブログ参照)

        *        *        *        *

10月26日(水) 伊藤元重東大教授らが「TPP交渉への早期参加を求める国民
会議」を開く。そのニュースを読んで、昭和46(1971)年7月10日近代経済学者
の「円レートの小刻み調整案についての提言」を思い出した。その関連でCPRC
「小宮隆太郎教授へのインタビュー:八幡、富士両製鉄の合併事件の回顧と評
価を中心として」を読んだが、久しぶりに大変おもしろかった。(本論文はインター
ネットで検索できる。)


今日、10月31日は「ハロウィン」だ。私が小学生の頃は、ハロウィンもなければ
セントバレンタインデーもなかった。

10月29日(土)あるカラオケ・パーティーで六本木に行ったら、ハロウィンが近い
こともあって、六本木にバブルが戻ってきたかのような大賑わいだった。

カラオケは何年振りだろう。もしかすると20年以上来てないのではないかしらん。
私は北原謙二の「若いふたり」を歌ったが、悪い癖で調子に乗って「今日でお別
れ」、「忘れな草をあなたに」まで歌ってしまった。--「あれから40年!失礼い
たしました」。

A氏いわく「宮崎隆男著『マエストロ、時間です』がおもしろいですヨ」。発売時に
さらっと見た記憶があるが、あらためて読んでみたい。

ハロウィン(のかぼちゃ)は、一種の「収穫祭」なんですね~。知らなかった~。
(六十にして「知っていることより知らないことの方が多い」を知る。最近では、
「モバゲー」が分からない(笑)。)

ハロウィンの仮装を見て某氏いわく--最近はシロウトか商売人か分かりませ
んね~。



ハロウィンでにぎわう六本木交差点 アマンド前


東京ミッドタウンのスターバックス



10月30日(日) 午前中ブログをまとめながらモーツァルト「ディヴェルティメント
第17番」を聴く。 演奏はウィーン八重奏団員。まこと朝にふさわしい音楽だ。

余談になるが、日曜の午前中、昔はフジの「報道2001」、NHK「日曜討論」、テ
レ朝「サンデープロジェクト」をよく視たが、最近はまったく視ない。竹村健一、田
原総一朗がいなくなったから??



モーツァルト「ディヴェルティメント第17番」ウィーン八重奏団員
アントン・フィーツ以下ウィーン・フィルのメンバー(1961年4月録音)



日本シニアオープンゴルフに室田淳初優勝!
どちらかというと地味でステディな室田が優勝してうれしい。それにしても最終18
番ホール第4打のシャンクには驚いた。ボギーで楽勝が、一転してダボであがれ
るかとなってしまった。まさしく「一寸先は闇」だ。


(東京の)日本橋100年だという。東京は(お江戸)「にほんばし」と呼ぶが、「にっ
ぽんばし」というと大阪の日本橋(にっぽんばし)になる。大阪の日本橋(にっぽん
ばし)は電気街だ。


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