5月31日、新日本フィルで仲道郁代さんを聴いた。よかった。
その後、彼女の『子供の情景』を引っ張り出してきて、繰り返し聴い
ている。これは昭和63(1988)年に録音され、私の関西勤務時代に
購入したものだ。
ほどほどの「情感」ある演奏で、もしかしたらホロヴィッツよりいい
かもしれない。
仲道郁代『子供の情景』 25歳ごろかしらん。
『ピアニストはおもしろい』は、仲道さんの比較的近著で、平成27
(2015)年に発売されている。
サラリーマンが書いたものはおもしろくないが、音楽家が書いた本は
興味深い。
ピアノの「修行」の場が日本~アメリカ~ドイツと移るにともなう、
さまざまなエピソードがおもしろい。
小学5年生の時に受けた学生音楽コンクールの前は、一日8時間練習し
た話が出てくる(--先日、赤塚先生に「ピアニストは一日8時間練習
するんですか?」と)。
そんな仲道さんもいまや50代半ば。お嬢さんも成人されたのかしらん。
仲道郁代『ピアニストはおもしろい』
ハ×3。この歳になると、シバレン(柴田錬三郎)ではありませんが、怖いもの知らずといえましょう(無論「礼儀」は大切であり、「ため口」はいけません)。
私はピアノをやったことがないので全く分かりませんが、かなり昔、テレビで男女プロゴルファーの対談番組がありました。
男子プロは河野高明、女子はよく覚えていませんが、小林浩美ではなかったでしょうか。
司会者が「練習はどれくらい休むとだめですか?」と質問したのに対し、小林プロ(?)は「2日ですかネ」という答えでしたが、河野プロは「1日休むとだめですネ」ということでした。
やはり「プロ」というものはすごいですね~。
こんな質問を面と向かってするとは、あなたもお人が悪い。
でも、ホロヴィッツだったかルービンシュタインだったかの言。ピアニストは一日練習しないと、(下手になったのが)自分に判る、二日練習しないと、批評家どもに判る、そして三日練習しないと、全ての聴衆に判る、と言ったとか。
学生の頃福永陽一郎先生が「サルでも一日8時間稽古を積めば日本一の猿回しになれる」とおっしゃったことがありました。話の前後、脈絡は忘れてしまったのですが、このことを今でもよく覚えています。要は、練習は不可能を可能にするということなのでしょうか。