人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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半藤一利『昭和史 戦前篇』(平凡社ライブラリー)

2009-08-24 05:13:16 | 近現代史
T次長から拝借した、半藤一利『昭和史』の戦前篇を読んでいる。本を読むとき
は普段、定規で線を引いたり、印を付けたりしているが、拝借した本なので(--
図書館で借りるのも同じだが。)線を引くわけにはいかない。その代わり、重要な
部分に付箋を付けていくと数ページごとに付箋だらけになってしまった。

例によって、歴史の教科書では数行で終わるところが、ページをまたいで書かれて
いる。当時の新聞等の引用も多い。



太平洋戦争をさかのぼると日中戦争に、さらにさかのぼれば第一次世界大戦の「対
華二十一カ条の要求」、五・四運動まで行き着く。

第一次世界大戦では、アメリカのウィルソン大統領が「民族自決」などとよけいな
(?)ことを言ったので、世界的に民族主義が高まった。(--ウィルソンが言わ
なくても結果は同じだったかしらん。)中国(当時の表現では「支那」といってい
たが。)は本来(アヘン戦争以来)「反英」であったハズだが、そのころから「反
日」になった。

本書には大正10(1921)年--私の父母が生れた時代--に、作家の芥川龍之介が
120日間、新聞社の特派員として中国大陸を旅行したときのルポルタージュが紹介
されている。
  このなかで、意識したわけではないのに、どうしても目に触れた、中国民衆が
 いかに日本人を嫌い、反日運動をやっているかというそのようすを具体的に書い
 ています。(本書p23)
   「・・・この唐代の美人の墓は、・・・荒らされ放題荒らされていた・・・。掘り返
  された土の上に、痛々しい日の光が流れている。おまけに西冷橋畔の路には、
  支那の中学生が二三人、排日の歌か何か歌っている」(芥川龍之介『支那遊
  記』)


渡部昇一さんなどは、当時の中国の反日ボイコットはケシカラン、だから満州事変
も起こるのだというような趣旨のことをいっておられたように記憶している。(*)
国と国との外交は単純なものではないが、当時の日本は中国の「反日」ナショナリ
ズムを理解できなかったのだろう。(--渡部昇一さんも同様では。)


しばらくは、昭和史戦前篇のポイントを考えてみたい。




コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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ご紹介有難うございます (katsura1125)
2009-08-25 20:49:48
tentenさん、はじめまして!
『アメリカの鏡・日本』のご紹介、有難うございます。ぜひ一読してみたいです。原題を見ますと、「アメリカ人のための鏡--日本」ということなのでしょうか。
ツンドクが溜まっておりますので、この秋には・・・・・・と思っております。
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ご参考までに (tenten)
2009-08-24 21:58:28
こんにちは。当時を考える一つの視点として、ヘレン・ミアーズ著「アメリカの鏡・日本」も面白いかもです。角川書店から抄訳版も出てます。よろしければどうぞ。
返信する

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