数学の王道

数学研究会代表 数学プロ主任講師の本音

いたずらで磨く発想力!

2017年11月14日 | 

 

経済学者のポール・サミュエルソン教授は、ノーベル賞受賞記念講演の中で、「この講演は大変厳粛なものだから脱線してはいけないと事前にルンドベリー教授に厳重に注意された」と述べている。

そのすぐ後で脱線しているのだが、これは原稿に入れずにおいて、 ルンドベリー教授の検問をかいくぐったのだろうか?


ベンジャミン・フランクリンはアメリカ独立宣言の原案起草者になれなかった。

こっそりジョークを潜り込ませる危険があったからだという。


18世紀のオランダの医師で化学者の ブールハーフェ は「医学における重要な秘法」という厳重に封印された著書を残した.

彼の死後

競売に出され、2万ドルで入手した人が開封したところ、100ページのうち99ページが白紙で、最初のページに「頭を冷やし、足を温める。これで医者いらず」と書いてあった。


情熱あふれる演技で人気のあったポーランドの女優モジェスカは、ポーランド語を理解する人がいない集会で詩の朗読をした。

誰もが感激の涙にむせんだのだが、彼女は、ポーランド語のアルファベットを繰り返しただけだった。


「いたずらが発想力を研ぎ澄ます」と言っても、世の中に余裕がなくなればいたずらは影を潜める。

日本の国家予算は財務省原案成立時に「語呂合わせ」をするという習慣があったが、いつの間にかなくなってしまった。

これは日本社会に余裕がなくなったことの反映だろうか?


                                                                              野口悠紀雄氏 「超発想法」より



最新の画像もっと見る

コメントを投稿