柳亭市馬独演会@三鷹

入れ物がいいのと、番組がいいことでよく出掛ける三鷹星のホールの落語会。ごひいき市馬の独演会ということで、先日も出掛けてきた。

   

　落語協会の会長でもあるが、保守本流という佇まいの彼の落語は、まっすぐで普通にやっているがたまらなく面白い。

　つくづく落語って普通にやることが一番の演出だと感じさせてくれる。さて、会場に着くといつものように満員御礼の表示。

 

　会場に入ると・・・あれれ、満員にはほど遠いぞ。どうやら会場のキャパの半分にしているようだ。

　おかげで、自分の席も左右が空席で鑑賞するには楽々だ。というところで、こちらの名物、森本さんの絶妙のアナウンスでの説明が・・・

 

　さてまずは開口一番、市松が登場。この日のネタは・・・おっ、「のめる」だ。いいネタなんだが、こなれるまではまだこれからかな・・・って。

　そして続いて登場したのが市弥だ。小生が市馬を追いかけ始めた頃に入門し、そろそろ真打の声もかかろうかという年次。

 

　腕前の方もまずまずと期待していたのだが・・・始めたのが「権兵衛狸」。このネタも最近とんと聞かれなくなっている。

　ただ、正直言って「あれれ、なんか迷っている? 」というイメージ。彼の明るさやいい空気感をまっすぐ出せばいいのに、なんとなく迷っている感が・・・

 

　数年前にもそんな印象があったのだが・・・このまま年回りで真打にではもったいないなあと・・・頑張れ市弥って。

　さて、続いてお目当て市馬の登場だ。この季節ならもしかして・・・と思ったら、予想通りで「花見の仇討ち」だった。

 

　よくできた噺で、普通に面白いが、これが市馬の手に掛かればさらに面白い。大満足で中入りに・・・

　再開後、二席目が始まる・・・今回は・・・おお、なんと「茶の湯」だ。現在売れっ子の一之輔が、市馬からこのネタを習い、まったく別物にしたことは有名だが・・・

 

　確かに市馬のそれは、一之輔のそれとはまったく別で、これぞ保守本流というもの。たっぷりと堪能させていただき、大満足。

　時節柄かヒザが入らない構成だったが、まったく気にならず・・・やはり市馬に間違いなしを再確認してしまった。

 

　やっぱり市馬はいいなあ・・・って。